東芝は,電子スピンを利用して不揮発性などの新機能を実現するMOS FET(スピンMOS FET)を試作し,その基本動作を実証した(論文番号9.2)。業界初の成果という。論理の再構成が可能(リコンフィギュラブル)なロジックLSIなどに向けて,2010年代後半の実用化を目指す。
![【IEDM】東芝,スピンMOS FETの基本動作を実証](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/bed39b5962a5d552c95b6d796db8f55e72d32943/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fxtech.nikkei.com%2Fimages%2Fn%2Fxtech%2F2020%2Fogp_nikkeixtech_hexagon.jpg%3F20220512)
東芝は,電子スピンを利用して不揮発性などの新機能を実現するMOS FET(スピンMOS FET)を試作し,その基本動作を実証した(論文番号9.2)。業界初の成果という。論理の再構成が可能(リコンフィギュラブル)なロジックLSIなどに向けて,2010年代後半の実用化を目指す。
半導体のオリンピックと言われる半導体回路技術の国際会議「ISSCC(International Solid-State Circuits Conference)」。2010年2月7〜11日に米国サンフランシスコで開かれる「ISSCC 2010」のプログラムの概要が2009年11月下旬に明らかになりました(関連URL)。 私がここしばらくの間,毎年,楽しみにしているのが,5〜10年後を視野に入れた新規回路技術が登場する「テクノロジー・ディレクション(Technology Directions)」関連の発表です。とかく閉塞感が指摘される半導体の新たなアプリケーションが見えるからです。 ISSCC 2010 のテクノロジー・ディレクションは,三つのセッションから構成されます。将来技術を用いた設計事例を扱う「Session 7:Designing in Emerging Technologies」
携帯音楽プレイヤーやスマートフォン製品の好調な売上に支えられ、いまや世界最大のNANDフラッシュメモリ買い付けメーカーとなった米Appleだが、この同社の行動に対して韓国メーカーを中心に業界で不満が日増しに高まっているという。それは購入量を武器に、メモリチップの価格を自分に都合のいいように操作していることに起因するようだ。 こうしたメーカー側の不満は韓国のKorea Timesがレポートしている。フラッシュメモリ市場では業界1位と3位のメーカーとなる、Samsung ElectronicsとHynix Semiconductorを抱える韓国だが、前述の購買シェアを武器に、Appleは日増しに価格決定力を強めているという。その秘密は単純に大量発注を行うだけでなく、メーカーを競合状態に陥らせることで価格を引き下げる手法にあるようだ。例えば、特定のメーカーから大量入手するのではなく、さまざまなメ
2009年8月末、光文社より『日本「半導体」敗戦』という書籍を出版した。自分で言うのもおこがましいが、極めて大きな反響があった。実際に起きたことを列挙してみる。 (1)全く面識のない数十人の読者の方から、メールで感想などのお便りをいただいた。 拙著には、メールアドレスやホームページのURLを記載していない(記載したくなかったのではなく、編集者が忘れたためである)。にもかかわらず、読者の方がわざわざ検索して連絡をくれたようだ。そして、多くの方から、「共感した」「驚いた」「面白かった」というお褒めの言葉をいただいた。 (2)出版関係者の話によれば、「半導体と名のつく本は売れない」らしい。そのため、光文社に採択されるまで、半年ほど出版社を回ったが、どこからも断られた。しかし、光文社から出版後、わずか3カ月間で、3刷り目の増刷となった。 出版関係者の話によれば、ベストセラー作家ならいざ知らず、無名
「Siフォトニクスが,Tビット/秒のコンピューティング技術のカギを握る」(米Intel Corp. Fellow,Corporate Technology Group Director,Photonics Technology LabのMario J. Paniccia氏)。受発光デバイスや光導波路をSi基板に集積する“Siフォトニクス”の開発が,大きく動き始めた。Si基板に作製したデバイスの性能が,ここ2~3年間で飛躍的に高まっている(図1)。光配線に求められる数十Gビット/秒のデータ伝送速度への対応が見えてきた。 早ければ2010年代半ばから,ボード間やチップ間を結ぶ光配線へのSiフォトニクスの適用が始まる。2010年代後半には,LSIチップの内部へ光配線を導入する動きが始まりそうだ。
「自分を助けたのは学位と人の縁だった」「セリート(半導体先端テクノロジーズ)で人脈が10倍に,同志社大学でさらに10倍になった」──湯之上隆氏は,自分の流転の人生を振り返ってそう語りました。 湯之上氏にお会いしたのは,技術者の転職や再就職に関する記事企画の取材でした。同氏は,大反響を呼んだ日経マイクロデバイスの寄稿論文『技術力から見た日本半導体産業の国際競争力:日本は技術の的を外している』(2005年10月号)などにより,半導体技術者と社会科学者の両視点で本質を鋭く語る論客として知られています。しかし,その人生は決して平坦ではありませんでした。 1987年に日立製作所に入社して2002年10月に退社するまでの16年半,半導体の微細加工技術の開発に従事しました。その間,中央研究所,半導体事業部,デバイス開発センター,エルピーダメモリ(出向),セリート(出向)と移り変わり,最終的には早期退職勧
半導体メーカーにとって、半導体チップとマザーボードを接続する実装技術は、半導体チップそのものに比べれば周辺技術であり、経営戦略面でも優先順位の高い技術とは言えなかった。しかし1990年代以降、実装技術の複雑さが増して、システム技術としての色彩が強まり、技術戦略と事業戦略が交差するホットスポットに変貌した。そこに気が付かなかったことが日本メーカーの敗因である---。 日経マイクロデバイス誌2009年10月号に掲載された論文「DRAM日本勢の敗因を再検証,見過ごされた実装技術の真価」で、著者の一橋大学イノベーション研究センターの中馬宏之氏らがこう指摘している。同氏らはこれまで、同誌2007年3月号と4月号で日本のDRAMメーカーが競争力を下げた要因をデバイス技術と製品戦略の面で検証してきたが、この第三弾では、日本メーカーが抱える問題点としてのシステム思考の欠如を「実装技術」の視点から指摘してい
ルネサス テクノロジは,IEEE802.15.4規格に準拠した2.4GHz帯無線通信機能を内蔵の16ビットMCU「M16C/6Bグループ」を発売した。ZigBeeなどの近距離無線通信ネットワークに向ける。具体的には,照明やブラインド制御などのホームネットワーク,空調制御や照明機器制御などのビル制御ネットワークなどである。
チップを3次元積層するための加工コストを劇的に低減する新技術が登場した。LSIなどのデバイスを複数チップ重ねて3次元化する際の加工コストを,現在の1ウエーハ当たり100数十米ドルから,業界目標の50米ドル以下/ウエーハへと大幅に削減できる可能性がある。3次元化の応用分野が,メモリーやLED,太陽電池など,コスト要求の厳しい用途にも拡大するキッカケとなりそうだ。
伊仏STMicroelectronics社は,IEEE 802.15.4に準拠する2.4GHz帯のRFトランシーバを内蔵した32ビット・マイコン「STM32Wファミリ」を発表した。プロセサ・コアとして,英ARM Ltd.の「Cortex-M3」を使う。
ドイツFraunhofer Institute for Solar Energy Systems(ISE)は,n型半導体を基板とし,その上に薄いp型半導体層を形成した単結晶Si太陽電池で,エネルギー変換効率23.4%を確認したと発表した。セル面積は2cm角である。Fraunhofer ISEは量産も可能としており,三洋電機などがけん引する結晶Si系太陽電池の高効率化競争に名乗りを上げた格好だ(関連記事)。 n型半導体を基板とする構造の結晶Si系太陽電池は,p型を基板とする構造に比べて不純物への耐性が大きく,理論的にはエネルギー変換効率を上げやすい。ところが,これまでの多くの結晶Si系太陽電池では,p型を基板とする構造のものがほとんどだった。具体的には,厚いp型半導体の上に非常に薄いn型半導体層を形成していたのである。 理由の一つは封止層材料にある。Fraunhofer ISEによれば,封止
半導体の実装技術は,2次元のシリコン平面に多数のトランジスタを集積した実装方法だけではなく,3次元LSIへのシフトも発生している。量産個数が非常に多いならば,平面にトランジスタを実装したLSIがもっとも安価である。しかし,面積が大きいLSIは開発期間も長く,歩留まりも悪く,かつ,そのような多数の量産の可能性があるLSIの種類はあまり多くない。
左上は外観,右上は主な仕様。下は断面のSEM画像。Cu板とBGA(ボール)の間がインタポーザ。その上方にLSIチップが埋め込まれている。NECおよびエレクトロニクス実装学会のデータ。 NECは,多ピン・薄型・高放熱性という特徴を備えたLSI内蔵パッケージ技術を開発した。同社は,このパッケージの狙いや特徴,製造技術,評価結果に関する講演を「第19回マイクロエレクトロニクスシンポジウム(MES 2009)」(9月10日と11日に福岡大学で開催)で行った(セッション2A4の3番目と4番目)。 今回のLSI内蔵パッケージは,次世代携帯機器を狙って開発した。同社によれば,次世代の携帯機器は,現在のネットブックやノートPC並みの性能・機能を,現在の携帯電話機程度の大きさで実現する。その機器の中核を担うマイクロプロセサやSoCなどの多ピンLSIの収容に向けたのが,今回のLSI内蔵パッケージである。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く