(英エコノミスト誌 2012年7月7日号) アジアでは性差別が横行している。そうした状況は、差別的でない企業にチャンスをもたらす。 欧米では、女性は一般に上級管理職や取締役会の10~20%を構成している。彼女たちは比較的恵まれている。コンサルティング会社マッキンゼーの報告書は、アジアの女性は大きく後れを取っていることを示している。 例外もある。オーストラリアでは、取締役会や執行委員会の業務に携わる女性の割合は、概ね、米国や一部の欧州諸国の水準に匹敵する。シンガポールでも、上級管理職の女性は大勢いる(図参照)。 だが、それ以外の国の状況は惨憺たるものだ。その理由は必ずしも、当該国が貧しいからではない。日本や韓国――どちらも豊かな国――では、女性が取締役会に名を連ねる確率は、男性がお茶を出す確率と同じ程度だ。 労働参加率の低さや教育の不平等も アジアで一握りの女性しか割のいい仕事に就けない原因