そして誰もいなくなった――。STAP細胞論文の華々しい発表から半年余り。小保方晴子博士(30)は自らの「最大の後ろ盾」を最悪の形で失うことになった。神戸市にある理研の発生・再生科学総合研究センター(CDB)の笹井芳樹副センター長(52)の自死。また、論文共著者のチャールズ・バカンティ米ハーバード大教授も所属病院の麻酔科長を9月1日付で退任、1年間休職することになった。一方、孤立無援に陥った小保方博士を「防衛」しようとする動きもあるが……。 *** CDBに隣接する研究棟内で笹井氏が首吊り自殺したのは8月5日朝。衝撃的なニュースが日本、いや世界中を駆け巡る中、慌しく神戸に向かう準備を進める人たちがいた。文部科学省の複数の職員である。 「職員らは笹井さんの自殺を受け、翌6日から小保方さんに聞き取り調査を行うために派遣されました。彼らは“理研には任せておけないから直接我々が聞き取りを行う”