前島さんの『セカイ系とはなにか』を入手。パラパラと流し読み。 なんていうか、こういう90年代観が「正史」になったらいやだなあと常々危惧していた歴史認識。「90年代はエヴァの時代だった」的な。よくまとまってるから、なおさらイヤ。 たしかにこういう流れはあるんだけど、それはオタクの本流ではなくてあくまで評論界隈の狭い世界の話。前島さんを含めた「自意識を語る少数人」をベースに「オタク」を論じるという典型的な「立脚点の誤り」が見られる。『ポスト・エヴァのオタク史』というサブタイがついてるけど、実態は『ポスト・エヴァのオタク評論史』程度のものだと思う。 前島さんも、その前提となる論者たちも、最終兵器彼女―イリヤ―ほしのこえ的な「女の子を守れない/女の子に守られる」フィクションの存在を過大評価してるけど、オタク文化における美少女と主人公(キミとボク)の関係性の本流は、『天地』から『ゼロ魔』『禁書』まで