東京都から「臨海地下鉄構想」が発表され大きな話題になっています。計画によれば、これまで鉄道空白地帯だった晴海地区の交通利便性が一気に向上します。本記事では臨海地下鉄計画の概要と、計画が実現した場合の不動産市場への影響について考察します。 東京都が発表した臨海地下鉄計画 東京都の小池百合子都知事は2022年11月25日の定例会見で、「都心部・臨海地域地下鉄構想」(以下、臨海地下鉄)を発表しました。東京都心部と臨海副都心を結ぶ地下鉄です。概算事業費は約4,200~5,100億円を見込み、約30年で黒字転換させるとしています。開業は2040年頃の予定です。 国土交通省の交通政策審議会はこの路線開業の意義について、「国際競争力強化の拠点である都心と臨海副都心とのアクセス利便性の向上」「山手線等の混雑の緩和」(交通政策審議会答申)の2点を挙げています。また、「事業性の確保に向けて、都心部・臨海地域地