総合資源エネルギー調査会で、新しい「エネルギー基本計画」の審議が始まった。安倍晋三首相による「エネルギー政策の見直しの指示(日本経済再生本部)」を受けて始まったものであり、将来の電源構成目標を決める議論は重視せず、エネルギー政策上の重要課題について包括的に審議する計画である。原子力利用を含むエネルギー安全保障などに関わる冷静な議論が求められてきた中で、この審議に大いに期待したい。 ≪新しい基本計画の審議に期待≫ 主な論点として、(1)最近の環境変化(原発停止、燃料輸入費増、電気代値上げなど)(2)生産・調達段階の論点(原発安全、再生可能エネルギー拡大、シェールガスなど)(3)流通段階の論点(電力システム改革など)(4)消費段階の論点(デマンドレスポンス=需要応答、省エネなど)(5)横断的な課題(人材、国際関係など)-の5つが挙げられている。その意味するところは、世界エネルギー市場の変化の兆