ブッシュ米大統領は10日、ホワイトハウスで談話を発表し、米下院に提出された約90年前のアルメニア人虐殺をめぐる対トルコ非難決議案について、「決議案は歴史となった大量虐殺に対する正しい対応ではない」として、北大西洋条約機構(NATO)での米・トルコ関係の保持を理由に採択を見送るよう議会に要請した。 下院外交委員会では、同日午後に決議案の採決を予定。決議案をめぐり、トルコ政府は採択されれば対米関係の維持が難しくなるとして猛反発していた。さきの慰安婦問題をめぐる下院での対日非難決議では、こうした談話発表はなかった。(ワシントン 山本秀也)