我が家の日々の生活に基本「他者」は滅多に入り込まない。親世代と連絡を取るのも年に数回、お客さんが来ることも少なく、近所付き合いはない場所に住んでいる。人間の夫婦とねこ1匹で成り立っている。 ある時、(俺の)母親から「友達呼んだりしないの?みんなで鍋とかやらないの?」と問われて面食らったことがある。だって「家」はプライベート空間だろう。そんな週末のたびに誰かを呼んだりしていたら、この小さい家族だけでのんびりする暇がなくなっちゃうじゃないか。そう思ったのだけど、そういや俺はこの母親に育てられたはずなのに、何故こうなったんだろう。 母親自身は近所付き合いが盛んで、事情があるせいでなかなか人を呼べないことを悔しがっているタイプの人種である。実家は広めのLDKがある。「人種」の違いなんだろうと勝手に思っていたが、これもしかして現代居住環境の問題なのではないかと、本書第四章を読んでちょっと思ったりした