「女性にも使えるよう、分かりやすくしました」。2001年、九州のある企業を取材した時のこと、コールセンターのマニュアルをデジタル化した担当者はこう発言した。 すると、同席したもう1人の担当者が間髪入れず「その言い方はまずいよ」と注意し、私に向かって「すみませんね」と苦笑いしたのだ。驚いたのは、私が女であることを気にして同僚の“失言”をフォローした彼の配慮だった。以前は、こんな気遣いをされたことはなかった。 当時私は20代で、祖父より年上の企業役員を取材することが多かった。自分の年齢を考えれば経験不足は明らかだったから、彼らから小娘だと思われても仕方ないと感じていた。多少のことでは「女だからバカにされた」などと、いちいち気にしてはいられなかったのだ。 しかし冒頭の例のようにオフィスでは、数年前から女性に対する扱いが少しずつ確実に変わり始めていたのだ。 あれから約6年。女性のトップや役員が相次