オリンピック会場は、国威発揚をねらう首都〔20世紀型〕でなく、 世界からアスリートが集う地域の拠点〔21世紀型〕へ これまでのオリンピック開催都市の80%以上が、首都または準首都である。オリンピックを最初に構想したクーベルタン男爵が望んでいたのは、世界の片隅にあるひとつの都市に全世界からアスリートが集合し、自らの肉体の限界に挑戦しならが互いに技を競うことだった。このコンセプトに大きい変化が起きたのが1936年のベルリンオリンピック大会。このときヒットラーは、オリンピックを民族の祭典と位置づけて、国威発揚の場に仕立てる。これが20世紀を通じてのオリンピック大会の型になってしまった。戦後の復興、新興国家のデビューとテーマがあったとしても、ひとつの国家が首都または準首都をその威信をかけて押し立てた。そのためパスポートを発行した国が国旗をアスリートに背負わせて、メダルの数を競う闘技場のようになって