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ブックマーク / www.newsweekjapan.jp/column (4)

  • 少女を殺人にいざなうネットキャラ「スレンダーマン」

    「スレンダーマン」という架空のキャラクターが、突如全米の注目を集めている。ウィスコンシン州で12歳の少女2人が同級生をめった刺しにし、逮捕された後に「スレンダーマンがそう求めていたから」とその動機を語ったからだ。刺された少女は数ミリの差でナイフが急所を外れかろうじて命はとりとめたが、19回も刺されていたという。 スレンダーマンは都市伝説の一種だ。実際には存在しないのにあたかも実在するかのように噂され、架空とは思えないような細かなキャラクターやエピソードも付随し、現実と非現実の境界をわからなくさせる。 スレンダーマンは、2009年にインターネット上で行われたフォトショップ・コンテストで生み出された。不自然なほどに背の高い男で黒い服に身を包み、顔面は空白。人、子供をさらい森を好む、といった核となる人物像はこの時につくられた。 最初に登場した時から、子供たちをさらった証拠写真のようなものがキャプ

  • 特定秘密保護法は「治安維持法」ではなく「スパイ防止法」である

    防衛・外交などの「特定秘密」を指定する特定秘密保護法案は衆議院を通過したが、参議院では自民党の石破幹事長の失言を野党が追及し、12月6日に会期末を控えてぎりぎりの駆け引きが続いている。朝日新聞を先頭に、メディアは「特定秘密保護法反対」の大合唱だが、そのほとんどは誤解である。 一番よくある誤解は「戦前の治安維持法のように言論統制を行なう法律だ」というものだ。治安維持法はすべての国民を対象にする法律だったが、特定秘密保護法は「我が国の安全保障に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定める」(第1条)ものであり、その対象は一般国民ではない。 規制対象になる「特定秘密の取扱者」は主として国家公務員だが、政治家も含まれる。政治家の情報管理はいい加減で、2001年の同時多発テロのときは田中真紀子外相が国防総省の避難先を記者会見でしゃ

  • 「建築のジェノサイド」に気付かない日本

    今週のコラムニスト:レジス・アルノー 〔9月3日号掲載〕 鎌倉を世界文化遺産に登録しないように──ユネスコ(国連教育科学文化機関)の諮問機関イコモス(国際記念物遺跡会議)がそう勧告したことを受け、松尾崇・鎌倉市長と黒岩祐治・神奈川県知事は会見で無念さをにじませた。 鎌倉市当局は中世の都市としての「物的証拠が不十分」と指摘されたことを認め、私にこう説明した。人類の遺産として保護する価値があると世界に認めてほしいのは、鎌倉を取り囲む山々とその麓に点在する寺院や遺跡だ。そこに日独自のサムライ文化があると自分たちは考えているが、イコモスにはその意図が十分伝わらず、「武家の古都」とする根拠が不十分だと判断された、と。 黒岩知事は今回の勧告に「目の前が真っ暗になるような衝撃を受けた」と語った。こんな妥当な判断に衝撃を受けているようでは、知事の体が心配になる。そもそも県の誇る珠玉・鎌倉がじわじわ破壊さ

  • スピーチとスカートはやっぱり短いほうがいい

    今週のコラムニスト:スティーブン・ウォルシュ [4月30日・5月7日号掲載] 日人はセレモニーと定番のスピーチが大好きらしい。結婚式はもちろん、マージャンの最後も誰かのスピーチで締める。私は最近まで、そうしたセレモニーは良く言えば不思議で異国的、悪く言えば必要ないし落ち着かないと思っていた。 この春、わが家では子供2人が進学したため、計4回セレモニーに出席した。私自身は入学式の経験はなく、卒業式も1回しか出なかった(出席したのは好きな女の子に誘われたからだ)。 ヨーロッパ人の私からすれば、セレモニーの旗と花飾りと制服とスピーチは、アメリカ的でわざとらしく思える。日では毎年4月に入社式が行われ、新入社員が全員ほぼ同じスーツ姿で整列する。異様なだけでなく、軍隊を思わせる不穏な光景だ。 さらに、日のスピーチは決まり文句があまりに多い。季節の挨拶は詩的で魅力的だが、学生や新入社員を前にしたス

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