日本と米国は似ている そうした各国ごとに異なる市場の状況について、アラタロ社長は興味深い見方を示す。 「欧州は残念ながら頭打ちになってしまっています。問題はイノベーションの欠如です。モノになるかどうかわからないような若い技術に十分に投資していません」 90年代後半から2000年代半ばまでは、欧州はGSMのグローバル規模を背景とし、SMS(テキストメッセージ)サービスが爆発的に普及してキャリアは潤った。しかし、「ボイスとSMS」での料金の叩き合いばかりを促進する政府の競争政策のせいか、バブル時の周波数オークションによる免許料巨額負担のせいか、それとも単なるキャリアの怠慢のせいかはなんとも言えないが、3G投資が遅れ、2000年代後半からの「スマートフォン時代」への移行にも乗り遅れた。欧州の業界人の間で「投資不足」というキーワードはよく聞かれる。 「これに対し、日本と米国は似ています。スマートフ