来年度の大学一般入試の志願者数で、近畿大が初めて首位に立った。人気上昇の背景には、全国に先駆けて導入したネット出願やユニークな広告、マスコミ対応の工夫などの広報戦略がある。 「かみ頼みの受験は、もうやめだ」「近大は、エコひいきする大学です」。どきりとする広告で受験生の心を引く。平成25年度入試からペーパーレスのネット出願を開始。受験料の割引制度が受け、26年度から完全移行した。「エコ出願」と名付け登録商標にもなった。 固定概念をぶっ壊す-。今年の正月の新聞紙面には富士山を思わせる山の頂から、近大の代名詞でもある養殖マグロの頭が“噴火”する全面広告を載せ、読者の度肝を抜いた。 偏差値による大学のグループ分けで、近大は関西私大の雄とされる「関関同立」(関西学院、関西、同志社、立命館)より下位とされている。「この重しがある限り、うちの大学は飛躍できない」と近大広報部の世耕石弘(いしひろ)部長代理