サルトル全集 第9巻 ― 文学とは何か, シチュアシオン 作者: J‐P・サルトル,Jean‐Paul Sartre,加藤周一出版社/メーカー: 人文書院発売日: 1965メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (1件) を見る 昭和39年に出た新訳版から。 たまたま今日読んだところから抜書き。この部分の訳者は白井健三郎。 突如として、世界の大平和の最初の年月を、両大戦間の最後の年月のごとくこれに直面しなければならなかった。われわれがその通過するのを会釈して迎えたいかなる見込みにも、脅威を見なければならなかったし、われわれが生きた一日一日が、その本当の顔をむきだしにした。われわれは、なんらの不信も抱かずその一日一日に身を委せていたのであった。そしてその一日一日は、目に見えない急速さと、無頓着な身ぶりの裏に匿された厳しさとを以て、われわれを新しい戦争の方へと向かわせていた。