幅4メートルの大型のキャンパスを眺めていると、都市の上空を飛んでいるかのような錯覚に陥る。圧倒的な密度で描きこまれた高層ビルディング群と、立ち並ぶ中国語の屋上看板が生み出すその都市は、1990年代の日本アニメを見た世代には、どこか懐かしささえ感じる風景に思える。 「都市風景」をテーマとしたグループ展「Contemporary Cityscapes vol.2」に参加した新進気鋭のアーティスト田島大介氏に、その作品の背景や今後の活動についてお話を伺った。(撮影:加藤甫) ——《無限の超大国 Superpower of eternal》は194×400cmの大作ですが、高層ビルに対してアイレベルがさらに高く、空から見下ろしているように描かれていて、絵の前に立つと強い浮遊感や没入感を得ます。構図など工夫されている点はどこでしょうか。 田島氏:高層ビル群を描くとき、自分の中で基本としている概念があ