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ブックマーク / himaginary.hatenablog.com (16)

  • 人々のインフレ理解 - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている(ungated版)。原題は「People's Understanding of Inflation」で、著者はAlberto Binetti(ボッコーニ大)、Francesco Nuzzi(ハーバード大)、Stefanie Stantcheva(同)。 以下はその要旨。 This paper studies people's understanding of inflation—their perceived causes, consequences, trade-offs—and the policies supported to mitigate its effects. We design a new, detailed online survey based on the rich existing literature in economics

    人々のインフレ理解 - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2024/06/06
    後期初等~中等教育レベルの経済政策への無知に加えて、自分の関心に引きつけて社会問題を捉えてしまうバイアスもありそう。識字率が低くはないはずのはてなでも毎日見かける読まずにコメントする勢の情熱に同じ。
  • 金融政策には長期的な効果があるか? - himaginary’s diary

    という小論がSF連銀のEconomic Letterに上がっている。原題は「Does Monetary Policy Have Long-Run Effects?」で、著者はÒscar Jordà(SF連銀)、Sanjay R. Singh(同)、Alan M. Taylor(UCデービス)。 Monetary policy is often regarded as having only temporary effects on the economy, moderating the expansions and contractions that make up the business cycle. However, it is possible for monetary policy to affect an economy’s long-run trajectory. Analy

    金融政策には長期的な効果があるか? - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2023/09/07
    経済成長と景気循環は別物(長期の経済成長がゼロでも好況や不況、失業者の増減は起きる)で、名目金利と実質金利も別物(前者がゼロでも均衡実質金利が低くかつデフレなら緊縮的な金融政策である場合がある)なのです。
  • ジェイソン・ファーマン「3%インフレ目標に切り替えよ」 - himaginary’s diary

    ジェイソン・ファーマンが、表題のことを訴えたWSJ論説を解説する連ツイを立てている。 My @WSJopinion argues that the Fed should make a "hawkish pivot" to a higher inflation target. Specifically get inflation <3.0%. Then shift to a 2-3% range, stick with that, and re-emphasize the price stability side of the mandate. A 🧵 summarizes. 1st: What is the right blank slate inflation target? Inflation is costly & inconvenient. But it also plays a

    ジェイソン・ファーマン「3%インフレ目標に切り替えよ」 - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2023/08/29
    内閣支持率を見ても日本の足元の3%インフレはかなりのストレスになってるけど、それは日常よく目にする食料品やエネルギーを中心とした、一過性の供給ショックで生じたインフレだから別物だ、と言えるかどうか問題。
  • 白川氏のMMT論? - himaginary’s diary

    前回エントリで紹介したサマーズの回答を引き出した白川氏の質問は以下の通り。 Thank you for it. My name is Masaaki Shirakawa, a former governor of Bank of Japan. I have a question about interlinkage between monetary policy and fiscal policy, specifically, rationale for having two percent inflation target. The typical argument goes that the central bank is constrained by the presence of effective lower bound. Therefore, central bank need

    白川氏のMMT論? - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2023/07/11
    消費増税支持のリフレ派はハマコーヤマコーぐらいで他はみんな反対してたけど、白川は円高デフレによる雇用&産業破壊の最中でも成長に資すると増税支持したわけで、すると0%の目処を-1%にするよう論じてたことになる。
  • 中央銀行の「静かなる反革命」を望むサマーズ - himaginary’s diary

    「日銀の白川元総裁が経済学者サマーズ氏の講演で非常に興味深い質問をしていた | グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート」で紹介されているように、サマーズの5/30のPIIE講演(イベント全体のリンクはこちら)の質疑応答において白川方明・元日銀総裁が質問を投げ掛けているが、その回答においてサマーズは、透明性や数値目標が主流になる*1以前の中央銀行への郷愁を露わにしている。 I guess my real view of this is that I think it was a mistake to declare a numerical term. My broad view -- I've said this many times -- my broad view is that Paul Volcker and Alan Greenspan understood what th

    中央銀行の「静かなる反革命」を望むサマーズ - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2023/07/11
    結局往年のイケノブ信者が「スティグリッツがインフレ目標を否定した!」とはしゃいでたのと同じケースか。雇用の為に標準的なインフレ率目標を超えるインフレも許容すべきだという話で、むしろ白川が袖にされてる。
  • 3つの一人当たりGDP - himaginary’s diary

    少し前に一人当たりGDPの国別ランキングに関するツイートが話題になったので、IMFのWEOデータベースのサイトからデータを落としてグラフを描いてみた。ここではアジアは日韓台、欧州は独仏伊、およびアングロサクソンの米英豪を対象とし、期間はデータの取れる1980-2027年とした(ただし、IMFの注意書きによれば、日は2016年、英伊は2021年、それ以外は2022年以降はIMFの推計値)。 ここで注意すべきは、WEOには3種類のドル建て一人当たりGDPが収録されている点である(それ以外に、実質と名目の自国建ての一人当たりGDPも収録されている)。上図では各国についてその3種類のドル建ての値を描画している。 一つは、上のグラフでは青線で描いた2017年時点の購買力平価ベースのドル建て一人当たりGDPである。換算レートの購買力平価を2017年という一時点に固定しているので、為替動向や各国と米国の

    3つの一人当たりGDP - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2023/03/13
    元ツイのゾウリムシ並のド阿呆のデマとは逆に、日本の低成長が実力不相応な超円高によるものであると示唆するグラフ。昨今の日本の円安は、海外とのインフレ率格差で生じた金利差でようやく実現した一時的現象。
  • 中央銀行にとっては少々益益弁ず - himaginary’s diary

    3/5エントリに、そこで取り上げた白川論文が掲載されたIMF季刊誌の同じ号の表題のラジャン論文(原題は「For Central Banks, Less Is More」)をどう思うか、というコメントを頂いた。 同論文の主旨を乱暴にまとめると、今現在問題になっている高インフレレジームと、これまで問題になってきた(そして今後また舞い戻る可能性のある*1)低インフレレジームでは、中央銀行に求められるコミットメントが違うが、コミットメントにおける時間的整合性ないし時間軸効果*2の性格上、どちらかしか中央銀行しか選べないので、より弊害の少ない高インフレレジームのコミットメントを選ぶべし、ということになる。 これに読んで小生の思いついたことを箇条書きにまとめると以下のようになる。 ラジャンは、金融緩和策が高インフレ期において及ぼす弊害と低インフレ期においてもたらす利得を比較して、前者の害の方が大きいと

    中央銀行にとっては少々益益弁ず - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2023/03/13
    まともな日本人なら90年代以降の超円高金融危機緊縮財政自然災害等の記憶があるはずで、高齢者の就労意欲の高さを改めて示した黒田日銀下の労働指標見ても、GDPを生産年齢人口で割る間抜けな営為は眉唾だと思うよね。
  • Shirakawa(2023)対白川(2002) - himaginary’s diary

    IMFの白川論文が話題になったが、小生から見ておかしいと思われる点をまとめておく。 日の2000-2012年の生産年齢人口当たりの成長率がG7の中で最も高いことをゼロ金利制約の無効性の根拠としているが、12年前の拙エントリで示したように、その期間の生産年齢人口当たりの成長率は、リーマン・ショックの影響もあり、期間の取り方によって簡単に国別の大小がひっくり返るので、分析や議論の根拠に使うのは不適切。 同期間の需給ギャップを見ると、内閣府の計算でも日銀の計算でも概ねマイナスであった時期であり、需要が供給に比べて不足していた。その期間に確かに実質GDPは2000年度の485.6兆円から2012年度の517.9兆円に6.7%増加しているが、一方で名目GDPは537.6兆円から499.4兆円に7.1%減少している。即ちGDPデフレータの1割以上の低下が生じていたのであり、需給ギャップのマイナス傾向

    Shirakawa(2023)対白川(2002) - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2023/03/06
    未だに『バーナンキの背理法(財政併用)』の一発で沈む屁理屈で反論試みてるブコメがいくつもあって驚く。100年デフレやデフレの正体を真に受けて来たんだろうけど、車輪の再発明にすらなってないレベルだから静粛に。
  • 統計的観点から見た実証マクロ経済学とDSGEモデル作成 - himaginary’s diary

    というプレプリントがarXivに上がっている(H/T beさんツイート;著者の一人のShaliziが「君の好きなDSGEはダメダメ(Your Favorite DSGE Sucks)」と題した自ブログエントリ*1で内容を解説し、ツイートに流している)。原題は「Empirical Macroeconomics and DSGE Modeling in Statistical Perspective」で、著者はDaniel J. McDonald(ブリティッシュコロンビア大学バンクーバー校)、Cosma Rohilla Shalizi(カーネギーメロン大学)。 以下はその結論部(Discussion)の前半。 As we said in the introduction, there are very few who will defend the forecasting record of

    統計的観点から見た実証マクロ経済学とDSGEモデル作成 - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2022/11/06
    ディープパラメータだの横断性条件だのの話は、需要サイドの政策への掣肘として機能して、日本の経済学会の主流的思潮に大きく影響したはずだけど、それらが実証性を追求する上で特に意味のない要素だったとしたら。
  • 豪州準備銀行の債務超過が心配に及ばないわけ - himaginary’s diary

    既に日でも共同やロイターが報じているが、豪州準備銀行のブロック副総裁が同行が債務超過に陥ったことを明らかにした。その講演をMostly Economicsが「Australia central bank has negative equity due to losses from bond holdings, but nothing to worry」と題したエントリで紹介しているので、以下に孫引きしてみる。 I am going to use my time to talk about two issues: the review of our bond purchase program (BPP) during the pandemic; and the Bank’s financial statements for 2021/22. The two issues are relat

    豪州準備銀行の債務超過が心配に及ばないわけ - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2022/09/28
    「債務不履行?何それ?」なのが無限に流動性を生み出せる中央銀行。仮に保有資産が暴落して売る物がなくなった場合でも、当座預金の付利や準備率操作を通じ金融引き締めが出来る。債務超過は形式上の意味しかない。
  • インフレ懸念と中銀における性別比率 - himaginary’s diary

    というEuropean Journal of Political Economy論文(2021年時点のWP(SSRN版))にタイラー・コーエンがリンクしている。原題は「Fear of inflation and gender representation in central banking」で、著者はミシガン州立大のCristina BodeaとAndrew Kerner。 以下はその要旨。 Women held only 11% of seats on global central bank boards between 2000 and 2015, with significant variation across countries. What explains women's under-representation in central banking? We link the

    インフレ懸念と中銀における性別比率 - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2022/09/28
    篠塚や須田は......名誉男性なる嫌らしい表現もあるにはあるが
  • 円安は交易利得にどの程度影響しているのか? - himaginary’s diary

    前回エントリでは9年前のエントリの実質為替レートのグラフを延長してみたが、9年前のその前日のエントリでは交易利得への円相場の影響をグラフ化していたので、15日に公表された21年のGDP統計を用いてそちらも延長してみる。具体的には、交易利得の計算式において輸出入デフレーターを円ベースの輸出入物価と契約通貨ベースの輸出入物価で置き換えたものを計算し、その差をみてみる*1。 以下はそうして計算した交易利得のグラフ。 なお、9年前のエントリに書いたようにこの実額は経済的にそれほど意味はないので、その前年差のGDP比も描画してみる。 これをみると、昨年の交易利得への円相場の影響はほぼゼロに近い。 ただ、昨年は円安が1年を通じて進展し、それとともにその悪影響を懸念する声が高まったので、年次ベースでは解像度が少し粗い感もある。そこで、上の2つのグラフを四半期ベースで描き直してみる*2。 これをみると、確

    円安は交易利得にどの程度影響しているのか? - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2022/02/22
    日銀も先月分の展望レポートで、交易条件悪化に占める為替要因は僅少だと示している https://www.boj.or.jp/mopo/outlook/gor2201b.pdf 為替の変化は交易条件の分母と分子を同時に変化させるから、それだけでは悪化要因にならない。
  • 日本の物価が相対的に下がると円の実質実効レートは下がる - himaginary’s diary

    円の実力が50年ぶりの低水準というニュースに対し、表題のことを理解していないと思われる反応が散見されたのでその件でエントリを起こそうかと思ったところ、奇しくもちょうど13年前の今日付けでそうした内容のエントリを上げていたことに気付いた。 この点については関西学院大の朴氏がツイッターでBISの資料などを引いて精力的に解説されているが、小生の13年前のエントリで引いた日銀のこのページ*1の解説も単純な2カ国モデルによる説明ということで直観的に分かりやすいかと思われる。13年前に引用した同ページの結論的な箇所を改めて引用すると以下の通り。 一般に、日の物価上昇率が実効為替レートの算出対象となっている相手国・地域の物価上昇率を上回る場合には、実質実効為替レートは外貨建て名目為替レートが「円高」に振れた場合と同じ方向に動き、逆の場合には外貨建て名目為替レートが「円安」に振れた場合と同じ方向に動くと

    日本の物価が相対的に下がると円の実質実効レートは下がる - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2022/02/19
    物価が下がっても、名目実効レートが上がることで実質実効レートは一定になるはずが、そうではないのは何故か。デフレが生産性の鈍化を招くことで、均衡レート/実勢レート自体を低下させているから、という話かな?
  • 安全への逃避:不況は才能ある人のスタートアップ企業への流入にどのように影響するか - himaginary’s diary

    というNBER論文が上がっている。原題は「Flight to Safety: How Economic Downturns Affect Talent Flows to Startups」で、著者はShai Bernstein(ハーバード大)、Richard R. Townsend(UCサンディエゴ)、Ting Xu(バージニア大)。 以下はその要旨。 This paper investigates how economic downturns affect the flow of human capital to startups. Using proprietary data from AngelList Talent, we study how individuals’ online job searches and applications changed during the e

    安全への逃避:不況は才能ある人のスタートアップ企業への流入にどのように影響するか - himaginary’s diary
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    howlingpot 2020/10/10
    裏返して言えば、不況は既得権大企業へ高度人材を再配分する効果があると。もちろん採用する余裕があればの話だけど。
  • マンキュー「パンデミックに寄せて」 - himaginary’s diary

    マンキューが「Thoughts on the Pandemic」というブログ記事を上げ、箇条書きで以下のようなことを述べている。 景気後退の可能性は高く、おそらくそれが最適である(望ましい、という意味ではなく、この状況下で我々ができる最善の行動という意味で)。 医療危機の緩和が最優先課題。ファウチ博士が要求するものはすべて与えよ。 財政当局は総需要ではなく社会保険に重点を置くべし。ファイナンシャル・プランナーは、6ヶ月の生活費を予備費として確保しておけ、と人々に説くが、残念ながら、多くの人がそうしていない。当に困っている人を特定するのが難しいこと、およびそうした特定に付き纏う問題を考えると、手始めにすべての米国人に1000ドルの小切手を可能な限り早急に送るのが良いだろう。この状況下では給与税減税にはあまり意味はない。というのは、働けない人には何ら恩恵がないからである。 政府債務の拡大を懸

    マンキュー「パンデミックに寄せて」 - himaginary’s diary
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    howlingpot 2020/03/14
    どれも普通に頭で考えれば出てくる提言。日本だと個人向け無差別定額給付金、健康保険料免除、零細事業者向けの無期限ゼロ金利融資(債権は日銀が引き取る)、等々。2月にはこの程度のプランを出しておくべきだったね。
  • 将来世代はグレタ・トゥーンベリを許さない? - himaginary’s diary

    ふと、かつて温暖化対策の行き過ぎを諌めたビョルン・ロンボルグはグレタ・トゥーンベリについて何か言っているのかな、とぐぐってみたところ、9月末にこのような論説を書いていることを知った。以下はその概要。 人間が気候変動の科学を理解して行動しないことは「悪」であり、気候変動によって「人が死んで」おり、あと8年余りで炭素の排出余地は尽きてしまうため、2028年までに化石燃料で動くものをすべて閉鎖すべし、というグレタ・トゥーンベリの国連演説は、良く見られる主張であるが、根的に間違っている。確かに気候変動は人為的な原因で現実に生じているが、気候変動で世界が終わるという彼女の見方は根拠が無い。IPCCによれば、2070年までの気候変動の影響は、生態系への影響も含めても、平均所得の0.2-2%の減少に相当する。その時までに、地球上の各人の所得は300-500%向上している。 1世紀前の生活はつらいものだ

    将来世代はグレタ・トゥーンベリを許さない? - himaginary’s diary
    howlingpot
    howlingpot 2019/12/14
    日本でも円安で電気代が上がった!と怒り狂う人がいるけど、環境問題とは例えば現状で月1000円の再エネ賦課金を何倍にするかという話。コストを誰がどれだけ負担するかの議論抜きに棍棒ぶん回したいだけの人が多杉。
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