10日に投開票された参院選。岩手県政界に長く君臨してきた衆院議員の小沢一郎氏を盟主とする「小沢王国」が事実上崩壊した。「小沢先生をピラミッドの頂点とする政治体制は完全に崩れた」。こう断言したのは、かつての小沢門下生で旧民主党政権下で復興相も務めた自民党の平野達男氏だ。 岩手選挙区では、自民新人の広瀬めぐみ氏(56)が、再選を目指した立憲民主党現職の木戸口英司氏(58)との事実上の一騎打ちを制して初当選。自民は30年ぶりに議席を獲得した。 当確の報を受けた10日夜、広瀬氏は支持者らが待ち受ける盛岡市のホテルに姿を現した。盛大な拍手に迎えられ、平野選対本部長ら関係者らとがっちり握手。安倍晋三元首相の死去に伴い、一時は自粛も検討された万歳三唱が会場に響き渡った。 平野氏は、昨年10月の衆院選岩手3区で小沢氏を破った藤原崇氏に続き、今回の参院選でも広瀬氏の選対本部長を務めた。選挙区で初めて小沢氏を