初代天皇である神武天皇の式年祭が、大正5年以来100年ぶりに行われた。皇祖の命日に御霊を慰める式年祭は、宮中祭祀(さいし)の中でも「大祭」に位置付けられる重要な儀式。天皇、皇后両陛下は大正天皇、貞明皇后の前例にならい、奈良県橿原市の神武天皇陵まで赴き、厳かに拝礼された。 宮内庁によると、現在の宮中祭祀は明治憲法下の旧皇室祭祀令に基づいて行われる。大祭は天皇自らが祭典を行い、拝礼した上で、御告文(おつげぶみ)を奏上する。神武天皇と先代(現在は昭和天皇)のみは毎年の命日に大祭として祭典を営む。 先代より前の3代(現在は大正天皇、明治天皇、孝明天皇)は毎年、掌典長が執り行い、天皇が拝礼する小祭となる。また、歴代天皇の崩御から3年、5年、10年、20年、30年、40年、50年、100年、それ以降は100年ごとに営まれる祭典は式年祭と呼ばれる。 天皇祭、式年祭は、歴代天皇をまつる皇居・皇霊殿と、それ