「千本(京都の地名)に当時あったんだよ。こっち(「ヤクザ」を表す手振り)のやってる博打場がさ。当時俺、これ(「おいちょかぶ」を表す手振り)にはまっちゃってさ。それがまたね、清純派のね、栗山たかこを連れてるの。もう、かわいかったんだ、当時の栗山さん。何とかいうね、プロダクションのね、貢物だったらしい。当時はそういうのよくあったんだ」 ミッキー・カーチスがある映画会社幹部にまつわる昔話を身振りや手振りや隠語を交えてそう話し始めると、浅丘ルリ子が平然とこう言い放つ。 「今だって(枕営業は)あるわよ」 そんな浅丘ルリ子の隣に座って、目を白黒させながらたたずんでいるのは石坂浩二である。えー、ちなみにカッコ内の注釈は筆者によるもの、役名だとわかりにくいので演者の名前でそのまま書かせてもらっていますが、言うまでもなく、浅丘ルリ子は石坂浩二の元妻。で、石坂浩二が浅丘ルリ子と結婚する前に同棲していたと言われ