生き物を飼育するには、生育状態や健康状態を調べ、治療や飼育施設の移動のために、保定(ほてい、捕まえて押さえておくこと)することも少なくありません。 当館で飼育するクジラも例外ではなく、その作業を「取り上げ」と呼んでいます。クジラを取り上げる場合、彼らが「水中で生活をする巨体の持ち主」であることを踏まえる必要があります。クジラを水中で捕らえるダイバー役の飼育員は、ウエットスーツに着替えマスクとフィン(足ひれ)を身に着けるのですが、プール内を縦横無尽に泳ぎ回る彼らが相手では、捕まえるどころか触れることさえ至難の業です。 そこで、陸上を担当する飼育員は、プールの形状に合わせて漁網で作った「取り網」を操作し、クジラの遊泳範囲を制限します。さらに、ダイバーが協力して遊泳方向を誘導したり、動きを先読みしたりすることで、彼らを捕らえるチャンスが生まれます。ただ触れることができても、当館で中型のバンドウイ
![【くじら日記】中型で300キロ 至難の「取り上げ」(1/2ページ)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/25e2fceffc00bc7c246303acc4382be9534e6f90/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.sankei.com%2Fresizer%2Fl7GKCRovEJW1_gDJ-98ryWTqwMI%3D%2F1200x630%2Fsmart%2Ffilters%3Aquality%2850%29%2Fcloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com%2Fsankei%2FDGGQ7HBXDZMNBCSXJIZWDL2UEM.jpg)