4月の番組スタートから視聴率、話題性ともに絶好調のNHK連続テレビ小説『あまちゃん』。そんな追い風のタイミングで、同作の脚本を手がける宮藤官九郎の映画監督3作目となる『中学生円山』が公開された。脚本家、映画監督としての顔をもつ宮藤に、それぞれの仕事への意識と関わり方について、また活躍の場であるテレビと映画の違いについても聞いた。 宮藤官九郎の撮影現場ショット&映画場面写真 宮藤は脚本家として携わる作品は、撮影現場には入らないという。「シナリオライターとして映画に携わると、完成作を観た時“このセリフ、こんなに大きな声で言うんだ!?”“このシーンをこんなに長く撮るんだ!”とか、監督の(シナリオに対する)誤解が新鮮で嬉しい。人にはいろいろなものの見方があるんだって改めて気づかされます」。一方、映画監督としてはの場合は、意識がまったく変わってくる。「自分で監督すると、誤解のないぶん、意外な驚きは
マンチェスター・ユナイテッドに輝かしい歴史をもたらしたファーガソン。誰もが彼への賛辞を惜しまない 【Man Utd via Getty Images】 責任ある職に就く者はいかにその職を辞すべきか。それは優れた人材がそろったグループをいかにしてうまくコントロールするかという仕事内容と同じくらい重要なテーマである。27年間マンチェスター・ユナイテッドを率いたサー・アレックス・ファーガソン監督の引退発表に際し、再びそのことを考えさせられた。 ファーガソンはあらゆる栄誉を手に、マンチェスター・ユナイテッドを去る。彼はチャンピオンズリーグを2度、クラブワールドカップを1度、インターコンチネンタルカップを1度制しただけでなく、1986年の就任当時には12差をつけられていたリバプール(18度優勝)を抜き、クラブを国内リーグ最多となる20回優勝するチームへと押し上げた。 そんな彼もマンチェスター・ユナイ
「ニフティ」時代には、ブログサービス「ココログ」を開発し、「はてな」ではCTOとして「はてなブックマーク」を開発。さらに「GREE」では、ソーシャルメディア統括部長としてソーシャルゲームの急成長を技術面から支えた。そして昨年、フリーのエンジニアとなる。 この10年間、IT・Webの世界は目まぐるしい変化を続けてきた中で、日本のネット技術を引っ張ってきたエンジニアを代表する一人として、伊藤氏もまたさまざまな環境に身を置きつつ、理想のネットサービスや技術を追求してきた。 実はちょうど10年前、伊藤氏は初めてブログをアップしている。その後、mixi、TwitterやFacebookといったソーシャルメディアの台頭でブログブームが去ってもなお、今も定期的にブログをアップし続けている。 そこには、“ブログに見合った役割がある”という。 そして10年を経た現在、フリーとして活動する伊藤氏には、これまで
ドイツの現代美術作家トーマス・バイルレの展覧会『Monuments of Traffic』が、9月1日まで東京・表参道のエスパス ルイ・ヴィトン東京で開催されている。 1937年にドイツ・ベルリンで生まれたバイルレは、1960年代以降からポップアートやメディアアートの分野で数々の作品を制作。2012年には『ドクメンタ(13)』で『アーノルト・ボーデ賞』を受賞したほか、今年はベルギーやイタリアで大規模な回顧展も開催される。また、30年以上にわたってフランクフルトのシュテーデル美術大学で教鞭をとり、幅広い世代のアーティストに影響を与えている。 バイルレ自らがキュレーションを手掛ける同展には、『ドクメンタ(13)』に出展した巨大な作品『Carmageddon(カーマゲドン)』や、今回の展示のために制作された新作『Conducteur(指揮者)』など数々の作品を、自作のサウンドコラージュとともに展
横尾忠則全ポスター 作者:横尾 忠則国書刊行会Amazon 任期の切れた朝日新聞の書評委員だけれど、役得といえば本がたくさんもらえて読めることとお弁当に加えて、えらい委員たちの雑談が聞ける、というのがあった。 で、ある日、横尾忠則がたいへん憤っていた。仕掛かりのまま手放した作品があって、それがある美術館に展示されているんだけれど、そろそろそれを完成させたいと思ってその美術館に連絡したら、そんなことをされては困ると言われたんだって。美術館としては、その状態の作品としてお金を払って購入したんだし、それを改変するのはダメというわけ。 憤るといっても別に激怒ではなく、委員会席上のお笑い半分として横尾さんが披露した話しで、聞いていたぼくたちも、わっはっは、それは融通が利かないですねえ、と笑っておしまいだったんだが、いまやっている別の仕事でふとこの話を思い出したことですよ。 これは何なんだ、所有権の問
菅野完 @noiehoie 藤田嗣治の「サイパン島同胞臣節を完うす」という、サイパンでの民間人玉砕を描いた大作があるんだけど、あの絵は藤田と思えないほど精細で、グロテスクですらある。あの絵は、藤田にとって「ゲルニカ」だったんだと思う。 菅野完 @noiehoie 「サイパン島同胞臣節を完うす」の真ん中では、ライフルを口にくわえて足で引き金を引こうとする瞬間の男性が描かれ、その脇では、母親が赤ん坊の首を絞めている。ああいう絵から「国威発揚」要素なんか読み取れるはずがない。素直に観れば反戦画。 菅野完 @noiehoie 先日、あの絵を観た。張さんと二人で、藤田の「サイパン島同胞臣節を完うす」のあの巨大なキャンバスの前で立ちすくんだ。同時代の他の戦争画と並べられた藤田のあの絵は、僕たち二人を鷲掴みにした。あまりにも異彩だった。
閉鎖的な山村に生きる平凡な少年少女たちに芽生える、仄暗いエロティシズムへの劣情とその爆発。押見修造原作の漫画『惡の華』はその禁忌を感じさせるテーマから熱心なファンに愛されている。しかも2013年4月より放映開始したテレビアニメは、いわゆる「萌え」のようなありがちな表現とは対極のものを作り上げ、同作はさらに話題を集めることになった。実写撮影を利用して生の淫靡さと不気味さを同居させた特異な映像、エンディングに流れるASA-CHANG&巡礼“花 -a last flower-”の禍々しい響き、そして組曲として全4曲が用意されたオープニング。どこまでもハードコアな表現は今どきのアニメには見られないものばかりだ。オープニング曲を手がけたのはバンド「宇宙人」のしのさきあさこ。神聖かまってちゃんのの子や後藤まり子、南波志帆らがゲストボーカルとして参加し、奇矯なアレンジワークの冴える楽曲はどのように作られ
ツアーごとにさまざまな試みを取り入れているサカナクションだが、今回は幕張公演および大阪城ホール公演でドルビーの6.1chサラウンドシステムを導入し、さらに幕張公演では計228本のスピーカーを使用。臨場感のあるサウンドで最新作「sakanaction」や過去の楽曲を再現してみせた。 5月19日公演のオープニングは山口一郎(Vo, G)の自宅で制作が行われた「sakanaction」を紹介するように、室内の様子や機材の映像が上映される。スピーカーから流れるサウンドは足音などから次第に水の中に潜っていく音へと変わり、「INORI」のイントロへとつながっていく。それに伴い自然と拍手が起こり、ステージにはラップトップコンピュータを前にした5人の影が。山口が手をあげるとオーディエンスの歓声が響き、場内は一瞬でダンスフロアへと変わる。間髪入れずに始まった2曲目の「ミュージック」では、一瞬ステージが暗くな
冒険家の三浦雄一郎さん(80)が23日、世界最高峰エベレスト(8848メートル)の登頂に成功し、エベレスト登頂の史上最高齢記録を4歳更新した。現地の三浦隊から、東京にある三浦さんの事務所に連絡が入った。 三浦さんのエベレスト登頂は3度目になる。そのいずれもが年齢との戦いでもあった。2003年は70歳で初登頂し、当時の最高齢記録となった。75歳の08年が2度目。この時は、直前に76歳のネパール人が登頂していた。 「夢を見ること、チャレンジすることが私のテーマだと思っている」。尽きぬ挑戦への意欲について、3月の会見でこう語った。 続きを読むこの記事の続きをお読みいただくには、会員登録が必要です。登録申し込みログインする(会員の方) 無料会員登録はこちら朝日新聞デジタルのサービスご紹介はこちら関連記事三浦雄一郎氏、エベレスト第1キャンプへ出発(5/16)エベレスト、眺めるだけでも「最高」 登
競馬の馬券配当を巡って所得税法違反に問われた元会社員の男性(39)に対する判決で、大阪地裁は23日、外れ馬券を必要経費と認める初の司法判断を示した。 被告側は「納得した」と受け入れたが、判決は馬券の大量購入を前提にしており、国税関係者は「限定的な判断だろう」などと冷静に受け止めた。 「全面的に主張が認められた。判決には説得力があり、正当な法解釈だ」。男性の弁護人を務める中村和洋弁護士(大阪弁護士会)は大阪市内で記者会見し、判決をこう評価した。 男性は年収約800万円の会社員だったが、大阪国税局から課税処分を受け、すでに約7000万円を納税。今年1月末、退職を余儀なくされた。現在も月数万円ずつ納付しているが、預貯金は底をついたという。 男性は判決後、中村弁護士に「判決に納得している」と話し、控訴しない方針を示したという。 国税庁内では冷静な受け止めが目立った。ある幹部は「こちらの主張が認めら
3月下旬、一風変わったアイドル・グループの楽曲がSNS上で大きな話題を呼んだ――群馬在住のブラジル人少女によって結成された“リンダIII世”のデビュー曲「未来世紀 eZ zoo」。3月21日にミュージック・ビデオ(MV)がYouTubeにアップされると、バイリファンキやサンバのエッセンスを取り入れた斬新なアレンジと、日本語と英語とポルトガル語がチャンポンになったエキゾチックな歌詞、さらにはブラジル人の美少女たちがスチーム・パンク風の衣装を身にまとって可愛らしく踊り、最後にはなぜかゾンビまで登場する謎めいた演出の映像が話題となり、その存在はTwitterやFacebookを経由して瞬く間に“拡散”。MVも公開1週間で5万回を超える急速な伸びをみせ、1ヵ月間で10万回超の視聴回数を記録した。筆者もMVがYouTubeにアップされて間もなくTwitterで情報を知り、アイドル・ソングらしからぬ楽
群馬県立館林美術館で開催中の 「鹿島茂コレクション バルビエ×ラブルール展」に行って来ました。 http://www.gmat.gsn.ed.jp/ モダンで輝かしい1920年代のパリで活躍した、ナント出身の二人の画家ジュルジュ・バルビエ(1882-1932)とジャン=エミール・ラブルール(1877-1943)を紹介する展覧会。 フランスの美術館から借りてきた作品は一点もなく、全て(約120点)がフランス文学者の鹿島茂氏の個人コレクションです。 昨年(2012年)練馬区立美術館で開催された「鹿島茂コレクション2 バルビエ×ラブルール展 アール・デコ、色彩と線描のイレストレーション」のバージョンアップ版。ホワイトキューブにアール・デコの作品が映えます。 展覧会の構成は以下の通りです。 ジュルジュ・バルビエ 1:ファッション・プレート 2:広告と定期刊行物 3:豪華挿絵本 4:舞台衣装 ジャン
朗読劇『銀河鉄道の夜』の西日本ツアーが、5月25日から開催される。 同公演は、宮沢賢治の名作をもとに、小説家・古川日出男によるオリジナル脚本と朗読、ミュージシャンの小島ケイタニーラブ(ANIMA)の舞台音楽とオリジナル楽曲、詩人・管啓次郎による書き下ろしの詩、翻訳家・柴田元幸のバイリンガル朗読で新たな光を当てた朗読劇。2011年12月に初演されて以降、昨年3月11日の東京公演、2度の東北ツアーなど、各地で上演されている。 初となる関西ツアーでは、5月25日に京都・叡山電車、5月26日に高知・土佐和紙工芸村QRAUD くらうど、5月28日に大阪・大丸心斎橋劇場の3公演を開催。また、5月27日には大阪・photo gallery Saiでプレイベントも開催される。チケット予約状況はオフィシャルサイトで確認しよう。なお、京都公演は定員に達したため、現在は予約キャンセル待ちとなっている。 朗読劇
開沼博は紛うことなきエリートである。 医者の息子として生まれ、福島県内有数の進学校から東大へ進み、博士課程に在籍する。 多くの言論誌に福島や原発に関する論稿を寄せる気鋭の社会学者としての開沼の経歴は王道感に満ち、中には香ばしいエスタブリッシュメント臭を見出す人もいるだろう。 その開沼の最新刊『漂白される社会』 では、ホームレスギャルの移動キャバクラ、売春島、脱法ドラッグ、裏カジノなどと、王道とは程遠い「周縁」の世界ばかりが掘り下げられている。 一般企業に就職 することを「民間に行く」と言って憚らないカルチャーの東大街道を歩みながら、勝ち組と呼ばれる人が一生触れることもないようなテーマばかりを、なぜ開沼は追い求めるのだろうか。 「高校時代は勉強ができれば文系なら法学部、理系なら医学部を目指すべきという価値観の中で過ごしました。医者になりたいわけでもないのになんで医学部を目指さなきゃいけないん
米作家のフリッツ・ライバーのファン。「いつか私もヒロイックファンタジーを書いてみたい」(東京都新宿区で) 堀川アサコさん(48)の現代ファンタジー『幻想郵便局』(講談社文庫)が文庫化後にヒットしている。心霊話なのにユーモラスでどこか懐かしい世界は、どうして生まれたのか。 2006年に日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞してデビュー、室町や昭和初めを舞台にダークな伝奇推理を手掛けてきた堀川さん。本作を着想したのは、勤めていたIT会社が09年に倒産し、専業作家になった時期という。 「44歳で崖っぷちに追い詰められた感じで、明るく元気になる話で自分を励ましたかった」。初の現代ものの本作で、明朗な作風に変化した理由をそう語る。 短大を卒業したものの就職に失敗したアズサは、山の上に立つ郵便局でアルバイトすることに。きれいな花畑に面したこの郵便局、局員も客もどこか変……。 タイトルは、子供の頃から大
子どもの頃、近所のケーキ屋さんなどでよく見かけた記憶のある「たぬきケーキ」。町の「ケーキ屋さん」が次第に消えて、おしゃれな「パティスリー」が増えるにつれ見かけなくなり、昭和遺産的な存在となったものと思っていたけれど……。 ところが、そんな「たぬきケーキ」をこよなく愛し、町の片隅で実は今もひっそり生きている彼らのハンティングに情熱を燃やす人を発見。生息地マップつきの食べ歩きブログを書くほか、最近「たぬきケーキめぐり 青森、岩手編」というミニコミ誌もつくられたそう。 そんなたぬきケーキラバーの名は、松本よしふみさん。ズバリ松本さんにとって、いちばん思い入れのあるたぬきケーキってあるんですか? 「やはり地元・青森にあった『レザン』というケーキ屋さんのたぬきケーキです。地元はほんとに小さな町で、ケーキを買うにも選択肢があまりなく、我が家で買うケーキはほとんどこの『レザン』でした。そのため、私の中で
八王子駅南口から徒歩5分の場所にあるアーティストの共同アトリエで5月25日・26日、神戸・元町の雑貨店「Sen」(神戸市中央区)とのコラボイベント「Mayflower Carnival from 神戸 to 八王子」が行われる。会場はアトリエ・カモミール(八王子市万町)。 イベントに合わせて作られたフライヤー 古民家を改装して2011年秋にオープンした同所。Yamamoto Harucaさん、momoさんの2人のアーティストが活動の拠点としている。今回は2人の作品とともに、「Sen」の出張営業を楽しもうと企画。当日は普段は公開されていないアトリエを一般に披露するほか、2人の作品を各15点ほど展示。「神戸から珍しくて、かわいい雑貨が集まり、アトリエで活動する作家の絵も飾るという内容」とYamamotoさん。 「Sen」は2010年春にオープンした雑貨店で、さまざまなアーティストが製作したグッ
仕事で奈良に行ってきました。今回は日帰りで、空き時間もほとんどなかったのですが、いい本屋さんがあるからと夏葉社の島田さんにすすめられていたこともあり、無理やり時間を作って、2軒の書店を大急ぎでのぞいてきました。 ブログの更新、書店レポはしばらくお休みするとしていましたが、この2店、とても印象的なお店だったので、なんとしてもふれておきたい、というわけで、ごく簡単に紹介しておきます。(店内写真はすべてお店の方に断って撮影したものです。写真は5/20の様子で、お店の様子は変わっている場合があります。) ↑ベニヤ書店(左)と豊住書店(中)。どちらも、町の本屋さんらしいたたずまいで、外観と看板を見るだけでうれしくなります。こんなすてきな書店が、それほど大きくはない商店街に同居しているのです(*追記あります)。旅先でこういう町の本屋さんに出会えるのは、書店好きにとっては、ほんとにうれしいことですね。
「どうか、助けて下さい。特撮、という技術体系が終わろうとしています」――庵野秀明監督がこんな言葉を寄せた、「日本特撮に関する調査報告書」がこのほどPDFで公開されました。同書では、特撮の歴史や系譜、文化的な影響、さらにCGの広まりとともに活躍の場を失いつつある現状など、特撮にまつわるさまざまな情報をまとめています。 調査報告書の目次 同書は、2012年夏に開催された「館長 庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」でそれぞれ“館長”“副館長”を務めた庵野監督と樋口真嗣監督が全体を監修。文化庁が進めるメディア芸術振興策「メディア芸術情報拠点・コンソーシアム構築事業」の一環として調査は行われました。 特撮については残されている公式資料が少ないこともあり、「100パーセントの裏付けを取ることは困難であり、今回のリポートの記述の中にも正しくない情報が含まれる可能性があります」。執筆者には
あがた森魚がアーカイブシリーズ「あがた森魚の世界史B」をリリース。この第1弾となるライブ編集盤「あがた森魚とはちみつぱい1972-1974」が本日5月22日に、第2弾「少年洋菓『永遠の遠国』別刷附録 『アウスランド・アム・エヴァイト・レイルロード』」が6月19日に発売される。 「あがた森魚とはちみつぱい1972-1974」は、ベルウッド第1弾アルバム「乙女の儚夢」などに参加したはちみつぱいの鈴木慶一、武川雅寛、和田博巳、かしぶち哲郎、本多信介を従えてのライブ録音を収めた作品。「乙女の儚夢」発売日前日である1972年9月の札幌公演、12月の仙台公演、1973年3月のライブイベント「ホーボーズコンサート」などから、「最后のダンス・ステップ」の初演を含む初期あがた森魚の名曲ライブ音源がセレクトされている。 「少年洋菓『永遠の遠国』別刷附録 『アウスランド・アム・エヴァイト・レイルロード』」は、1
冷静沈着な目はあの頃と変わっていない。背筋をぴんと伸ばして、ピッチ中央で全体を見渡し、正確な長短のパスを繰り出す。柴崎岳は今、鹿島アントラーズで不動の存在となり、攻守の要としてピッチ中央に君臨している。 中学生時代から天才として注目を集めていた逸材は、すくすくと着実に成長を遂げている。時として天才は“もろ刃の剣”と言われ、不遇の時を過ごし、終えんしてしまう運命をたどることもある。だが、柴崎は違う。着実に必要なステップを踏んでいる。 なぜ彼はそうできるのか。その秘密はぶれないメンタリティーにある。筆者は彼が中学2年生だった頃から知っているが、今も昔も考え方、姿勢は全く崩れていない。「将来のことを視野に入れながらプレーをする」。常に目先の事だけではなく、未来も設計の中に組み入れて行動する。それはオフ・ザ・ピッチにも表れ、すべてをサッカー優先にとらえていた。中学2年生から3年生に上がる春に、早く
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