B型、C型といったウイルスや、大量の飲酒が原因で肝炎になることはよく知られている。 しかし、国内の肝炎患者で最も多いのは、飲酒量が多くない人に起きる「非アルコール性脂肪肝炎( NASH〈ナッシュ〉 )」であることはあまり知られていない。推定患者数は約400万人に上る。 大阪府済生会吹田病院(大阪府吹田市)は、肝臓病研究では国内の第一人者で院長の 岡上(おかのうえ)武(69)が中心となって、NASHの先進的な治療や研究に取り組んでいる。 NASHの存在は、米国では、30年以上前から報告されている。それまでは、肝臓に過剰な中性脂肪がたまって起きる脂肪肝炎になるのは大量に飲酒する人だけと考えられてきた。 全く飲まない人や、飲んでも1日にビール中瓶(500ミリ・リットル)1本以下の人でも、脂肪肝炎になることが明らかになり、米国の医師が、非アルコール性脂肪肝炎を表す英語(non‐alcoho