人は長生きしたいと言うけれど、病気、おカネ、医者……実際に長生きすると思わぬところで苦しんだりもする。91歳の評論家と63歳の精神科医が痛快に語った「楽しく老いるコツ」から大いに学ぼう。 老いを実況中継してみる 和田 樋口さんはもうすぐ92歳を迎えるというのに、脳が若いですね。 樋口 えっ、脳波がないですって? 和田 脳が若いです(笑)。最新刊『うまく老いる』(講談社+α新書)の対談でお会いする前は、「怖い方だろうな」と勝手に思っていました。インテリ東大女子の走りで、女性の地位向上運動のリーダー。老年医療などに関する政府諮問委員会の重鎮だけに、私もぴしゃりとやられてしまうのではと。でも実際は、こうしてユーモアに溢れていらっしゃる。 樋口 和田さんはメディアで老いについてよく発言し、著書も売れている東大の後輩です。いつも世間から注目されているので、お話ししてみたいという好奇心が抑えられなくな