展示風景「表現の不自由展・その後」撮影:アライ=ヒロユキ 対岸の火事:日本において表現の自由が晒されている脅威 文 / アンドリュー・マークル 翻訳:奥村雄樹 ※ 本稿は、Frieze誌に掲載された「The Threat to Freedom of Expression in Japan」(2019年8月15日)を一部編集、翻訳したものである。 あいちトリエンナーレ2019が迎えた最初の週末は惨憺たるものだったが、あまりにも事態が複層的に入り組んでいるため、一体どこから話を始めればいいのか、一体どうすれば重要な事項をすべて埋没させることなく語ることができるのか、見当もつかない。芸術祭の内覧会から3日後の8月3日に、「表現の不自由展・その後」と題された、日本の公的な機関において近年に検閲された20点以上の作品を集めた展示それ自体が実質的に検閲された。しかしトリエンナーレの主催者たちは、そこに