現代写真の一断面を見事に シャーロット・コットンはイギリスとアメリカで活動する批評家、キュレーター。2010年に邦訳・刊行された『現代写真論』(晶文社)では、8つのカテゴリーで「現代美術としての写真」のあり方を鮮やかに切り分けてみせた。新しい著書『写真は魔術』では、「ポスト・インターネット」の時代の写真家たちの仕事に焦点を合わせ、日本を含む世界各国80人以上の作品から「アート・フォトグラフィーの未来形」を考察しようとしている。 コットンが序論で述べるように、ここ10年間に現代写真を巡(めぐ)る状況は大きく変化した。いうまでもなく、それが「デジタル・キャプチャー」「フォトショップ」「ピグメント・プリント(出力)」といったハードウエア/ソフトウエアの急速な発達によるものであることは間違いない。 コットンは、そのようなテクノロジーの再構築によって、新たな写真表現の形が生みだされつつあると論じる。
![【書評】写真評論家・飯沢耕太郎が読む『写真は魔術 アート・フォトグラフィーの未来形』(1/2ページ)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/983c2c684de901071a9c284214b6eb89b4665705/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fwww.sankei.com%2Fresizer%2FM-H8YYKOr8wyViQF2uC96LSL25A%3D%2F1200x630%2Fsmart%2Ffilters%3Aquality%2850%29%2Fcloudfront-ap-northeast-1.images.arcpublishing.com%2Fsankei%2F7XR7QZOZOFJ33CD7YXXOAO37VE.jpg)