村上 淳 (俳優) 三宅 唱 (映画監督) 映画『Playback』について 2012年11月10日(土)より、渋谷オーディトリウムにてロードショー全国順次公開予定 処女長篇『やくたたず』で一躍注目を浴びた新鋭監督・三宅唱の初の劇場公開作品『Playback』が、間もなく封切りを迎える。『やくたたず』に惚れ込んだ俳優・村上淳が企画の段階から後押しした本作、製作の経緯のユニークさもさることながら、モノクロ・35ミリのプリントでの上映も話題を呼びそうだ。三宅監督と村上さんのやりとりは、お互いへの敬意と映画に触れる喜びとにあふれ、幸福な関係が長く続くことを予感させてくれた。見通しのきかない映画状況を豪快に笑い飛ばすような、おふたりのポジティブなトークをお楽しみください。(取材:鈴木 並木) 村上 淳 (むらかみ じゅん) 1973年大阪府生まれ。93年に『ぷるぷる 天使的休日』(橋本以蔵)で映画
オリジナル・テレビアニメ作品として昨年放送された『魔法少女まどか☆マギカ』(以下、『まどか☆マギカ』)。2012年10月現在、その再編集版という位置付けで、劇場版の前後編である『劇場版 魔法少女まどか☆マギカ[前編]/始まりの物語』、『劇場版 魔法少女 まどか☆マギカ[後編]/永遠の物語』が上映中だ。本作は、テレビシリーズの再編集版であることに加え、全国43スクリーンでの数少ない上映という条件の中、後編が初日2日間の興行収入ランキングで第1位を記録。まさに”社会現象”を巻き起こしている。 それぞれの思いを胸に魔法少女として魔女に立ち向かうことを選んだ少女たちの戦いを描いた同作は、パッと見、可愛らしい「魔法少女もの」だが、フタを開けてみればこれまでの魔法少女ものとは一線を画すショッキングな展開や視覚表現・構成がうけ、放送当初から人気に火がついた。同作のBlu-ray Disc1~3巻の売上げ
熊切 和嘉 (映画監督) 映画「BUNGO~ささやかな欲望~」/『人妻』について 2012年 9月29日(土)より、角川シネマ有楽町ほか全国公開! 宮沢賢治、坂口安吾など昭和の文豪の傑作短篇を、6人の気鋭監督と旬の俳優たちが映像化した贅沢なオムニバス『BUNGO~ささやかな欲望~』がこの秋公開される。30分に凝縮され新たな息を吹き込まれた名作の世界がいずれも見事な好企画だが、中でも永井荷風の艶っぽい佳作を、ここ最近骨太な原作もので気を吐く熊切和嘉監督が大胆な脚色で見せる『人妻』が出色の面白さだ。谷村美月、大西信満という正統派の俳優が色めいた世界で伸びやかに遊び、端正ながらも手触りには熊切監督らしいパンクを感じる。大西さんを2度取材した筆者としては、今までの作品で硬軟自在に演じ分けてきた大西さんの多面性を活かして新しい主人公像を創り上げていることに大いに感心したのだが、お話を伺うとやはりこだ
映画『夢売るふたり』の西川美和監督 現在公開中の『夢売るふたり』で、自分たちの夢を実現させるために結婚詐欺を企てる夫婦と、ふたりの間に生まれる亀裂を描く西川美和監督。デビュー作『蛇イチゴ』から『ゆれる』『ディア・ドクター』そして今作と一貫して、自ら脚本を手がけるその制作スタイルにより人間が内面に抱える闇に焦点を当ててきた西川監督に、今回は「脚本の作り方」というテーマで話を聞いた。 まず脚本に準じる、書き込まれたプロットを準備する ── 読んでいて映像が浮かんでくる「映画のような小説」があるけれど、『夢売るふたり』を拝見して、小説のような映画だと感じました。今回は脚本について話を聞こうと思ったので事前に脚本を読ませていただきました。読んで最初に思ったのは「映画と同じじゃん」とバカみたいな感想を持ちました。もしあの脚本を映画を観ずに読んだら、絵がこの映画のように浮かばないと思ったんです。それは
「時をかける少女」「サマーウォーズ」で一躍注目を集めた細田守監督の最新作「おおかみこどもの雨と雪」が現在公開中だ。母と子供の成長というストレートなテーマに真っ向から挑み、冷静な描写と豊かな世界観で13年もの月日を2時間で見事に描き出した本作品。富野由悠季監督が「新しい時代を作った」と評するなど、その完成度の高さは早くも各所で絶賛を集め、日本のアニメーションを革新する最高傑作と称えられている。この度、映画音楽を手がけた音楽家・高木正勝氏にインタビューを行ない、映画に多彩な景色を与えたサウンドトラック制作の背景から、震災以降から如実に変化してきた彼の創作にまつわる思いを伺った。 Text by Arina Tsukada Photo by Ryosuke Kikuchi ー私は映画を拝見して、物語の前半からボロボロ泣いてしまいました。何の変哲もないような台詞や景色に強く感情移入してしまって。高
水樹奈々の通算28枚目となるニューシングル「BRIGHT STREAM」が完成した。今作には現在公開中の劇場版アニメ「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's」の主題歌であるタイトル曲「BRIGHT STREAM」と、バトルシーンに登場する挿入歌「Sacred Force」、そして地上波で放送中のアニメ「DOG DAYS'」のオープニングテーマ「FEARLESS HERO」の3曲が収録される。 水樹は2004年の「なのは」テレビシリーズ第1弾から、物語の軸となるキャラクター、フェイト・テスタロッサの声を務め、全シリーズを通じてテーマソングを担当してきた。彼女にとって大きな存在である「なのは」シリーズと、その最新作である劇場版アニメ第2弾。ナタリーではシングル発売に合わせ、彼女が歩んできた「なのは」との歴史についてじっくりと話を訊いた。 取材・文 / 臼杵成晃 アフレコ段階
濱口 竜介 (映画監督) レトロスペクティヴ『ハマグチ、ハマグチ、ハマグチ!』について 2012年7月28日(土)~8月10日(金)まで、渋谷オーディトリウムにて開催! 映画監督・濱口竜介のレトロスペクティヴが、国内外から多数のゲストを迎えて開催される。ようやく実現した機会に喝采を送る人もいれば、聞き覚えのない名前に首を傾げる人もいるかもしれない。正式な商業公開作が1本もない状態のままで精力的に活動を続ける彼の歩みをたどることは、そのまま、現在の日本における映画監督という職業、あるいは肩書きの意味を考えることにも通じるに違いない。国際映画祭への正式出品、韓国との合作、4時間を超える長篇の制作、東北地方における東日本大震災の被災者の声に耳を傾けたドキュメンタリーの撮影などなど、偶然に翻弄されてきた数奇な監督生活を振り返っていただいた。(取材:鈴木 並木) 濱口 竜介 (はまぐち・りゅうすけ)
今泉 力哉 (映画監督) 映画「こっぴどい猫」について 2012年7月28日(土)より、新宿K’s cinemaにてレイトショー! 若者たちの微妙な恋愛模様を描く自主作品で数々の映画賞を受賞し、2010年に伝説のバンドのドキュメンタリー『たまの映画』で商業デビューを果たした新鋭・今泉力哉監督。60歳を迎えたモト冬樹を主演に据えた『こっぴどい猫』では、総勢15人による複雑怪奇な恋愛群像劇を昭和的なやさしさといかがわしさの中に描き、またも新境地を見せてくれた。なんと取材に赤ちゃん連れでいらした人間味たっぷりの今泉監督に、絶妙なキャスティングや脚本作りでの試行錯誤、取材前日に撮ったという本作のスピンオフ作品についても語っていただいた。(取材:深谷直子) 今泉 力哉 (いまいずみ・りきや) 1981年福島県生まれ。自主映画『微温』『最低』がそれぞれ映画祭でグランプリを受賞。2010年『たまの映画』
大学生(もちろん人間)の花と、おおかみおとこ(でも人を噛んだり満月の夜に変身したりはしない)との間に生まれた"おおかみこども"、姉の雪と弟の雨。でも父は不慮の事故で亡くなり、花は人間とおおかみの両方の性質を持った姉弟を女手ひとつで育てていこうと決心する・・・。タイトルからは想像不能だが、ファンタジーというよりも完全に子育て映画(!!)である本作は、『時をかける少女』『サマーウォーズ』以上に端正な絵柄と、繊細かつ生命力にあふれた感情表現、そして潔くも清々しい物語に、観る者の背筋もきりりと伸びる細田守の新展開だ。取材・文/ミルクマン斉藤 Profile 細田守 (ほそだ・まもる) 1967年生まれ、富山県出身。91年に東映動画(現・東映アニメーション)に入社。アニメーターとして活躍後、演出家に転向。その後フリーとなり、06年に手がけた劇場版『時をかける少女』では日本アカデミー賞 最優秀アニメー
深谷 直子 世界最大の映画の祭典であるカンヌ国際映画祭が5月16日~27日に開催された。65回目という節目の年、映画祭のアイコンには没後50周年を迎えるマリリン・モンローが起用され、カンヌの街中を華やかな祝祭ムードで包み込む。こうした雰囲気だけではなくラインナップにも例年以上に意欲が感じられた今年のカンヌ映画祭に、私も初めて参加した。都合で序盤21日までの滞在となり、とてもこの巨大イベントの全貌を捉えるまでには至らなかったが、幸いにもコンペティション部門に関しては受賞作の多くを観ることができたし、素晴らしい作品との出会い以上に、世界中から超一流の監督やスターたち、そして報道関係者から宣伝・配給まで、映画に関わるあらゆる業種の人々が小さなリゾート地にひしめき合う、そのエネルギーを体感できたことが大きな収穫だった。とても断片的なものであることはご容赦いただいた上で、カンヌで感じたことを綴ってい
映画『ドキュメント灰野敬二』より (c)2012『ドキュメント灰野敬二』製作委員会 70年代から40年以上にわたり、アンダーグラウンド・ミュージックの世界で活動を続け、世界中でカリスマ的な人気を誇る音楽家・灰野敬二が自らの人生と音楽について語る映画『ドキュメント灰野敬二』が7月7日(土)より公開される。長髪とサングラス、漆黒の服装というスタイルを貫く彼を捉えたのは、『ヨコハマメリー』(2006年)『美代子阿佐ヶ谷気分』(2009年)でプロデュース・編集を担当した、白尾一博監督。単なる音楽ドキュメンタリーとは一線を画した今作の手法について白尾監督に聞いた。 とにかく濃縮したものを作りたかった ──70年代から続く灰野さんの経歴をよく95分というこの長さでまとめられましたね。 もともと僕は凝縮されたものが好きなんです。時間の流れを正確に記録する手法のドキュメンタリーだと、当然長大なものになって
『フラガール』(李相日監督、2006年)や『パッチギ!』(井筒和幸監督、2005年)を製作。古くは、『月はどっちに出ている』(崔洋一監督、1993年)が、シネカノンの製作第一弾だった。配給面では『シュリ』『JSA』で「韓流ブームの火付け役」とも呼ばれ、渋谷や有楽町に直営館を持つなど、インディペンデントの映画会社として前例のない躍進を遂げていた。そのシネカノンが倒産した。2010年1月だった。負債総額は、約50億円。東京地裁に「民事再生」の申請を申し出た。1年をかけて「会社再生」が認められたものの、新会社ジェイ・シネカノン発足時には、再生に尽力していた李鳳宇さんの名前は消えていた。李鳳宇の名前がメディアに上ったのは、2011年9月。「東北映画祭」で被災地を、移動映画館を使ってまわっていた。2011年4月に、映画製作会社SUMOMOを設立、再びインディペンデントの映画会社としての再出発をはかる
現在日本全国のミニシアターで、熱狂的に迎えられながら順次公開中のインディーズ映画『SRサイタマノラッパーロードサイドの逃亡者』。入江悠監督もキャストらとともに、全国の公開館を舞台挨拶行脚し、映画館を劇中さながらのライブ空間に変え、連日話題を振りまいている。一方、男性のみ学ラン姿でコンテンポラリーダンスの世界に颯爽と登場し、ダンス、映像、コント、さらには音楽活動まで表現の幅を広げながら世界的に活動するコンドルズ。リーダーである近藤良平は、テレビ番組を始め、氣志團やYUKIなど振付家としても引っ張りだこである。そんな型破りな2人のコラボレーションが、このたび意外なところで実現! 三井ダイレクト損保のキャンペーン『MUJICOLOGY!』でのムジコロジー体操PVを、監督を入江悠が、ダンスの振り付けを近藤良平がそれぞれ担当したのである。作品内ではサイタマノラッパーからSHO-GUNGと征夷大将軍が
恵比寿ガーデンシネマにて絶賛公開中の『あの夏の子供たち』。フランス映画祭にて来日していたミア・ハンセン=ラブ監督にインタヴューを行った。 彼女の長編処女作である前作『すべてが許される』は、みずみずしさとともに古典的な風格さえも備えた作品であり、新たな若い才能が登場したことを高らかに宣言するものであった。『あの夏の子供たち』は、その処女作のプロデューサーを務めるはずだったアンベール・バルサンというひとりの男をモデルにしている。だが、ハンセン=ラブと彼の共同作業は、彼が自ら命を絶ったため実現しなかった。 『あの夏の子供たち』における、父親の死と少女たちの成長といった題材は、前作から共通して彼女が描き続けているものだ。散在する細やかな断片をつなぎ止めるようにしてひとつの世界を構成していた男が、その作り上げた世界から姿を消してしまうとき、残された者たちはそれをどう受け止めることができるのか。安易な
塚本晋也 (監督) 映画「KOTOKO」について 2012年4月7日(土)よりロードショー! テアトル新宿、シネ・リーブル梅田、名古屋シネマスコーレ、KBCシネマ1・2 他全国順次 塚本晋也監督が沖縄出身のアーティストCoccoを主演に据えて撮り上げた最新作『KOTOKO』。映画制作においてひとり何役もこなす才人として知られ、完璧に統制された映像美学を見せてきた塚本監督だが、今作ではCoccoと密接に協力し合って、彼女の精神、そして“母性”への敬愛を描いており、そのパーソナルな新境地が各国の映画祭でも絶賛を浴びている。Coccoの内面を探る深遠な旅のような脚本作りや、震災の影響を受けながらの撮影などについて語っていただいた。(取材:深谷直子) 塚本晋也 1960年1月1日、東京都出身。14歳で初めて8ミリカメラを手にする。87年『電柱小僧の冒険』でPFFグランプリ受賞。89年『鉄男』で劇場
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