業務パッケージの導入における炎上事例は枚挙にいとまがありません。しかも高価なERP(統合基幹業務システム)パッケージ製品に限った話ではなく小規模なSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)でも起きています。失敗の理由はデータ設計をないがしろにしたことです。製造業の情報システム部門で31年、ITコンサルタントに転じて11年、業務システムの開発にずっと関わってきた経験から断言できます。 「パッケージの提供者がすでにデータ設計をしているわけだから、導入する側が考える必要はないのでは」と思われる方が多いでしょう。業務のやり方、そこで使う言葉、何から何までパッケージに従う、つまり仕事のやり方を徹底的に変えてしまう覚悟ならデータ設計など考えなくても構わないかもしれません。しかし現実には自社のビジネスをパッケージに完全にフィットさせることは難しい。 「業務をどう処理するのか、業務機能が自社に合うかどう