温泉地で有名な鹿児島県の指宿市(いぶすきし)にある「山川(やまがわ)発電所」は、1995年に運転を開始した九州電力で2番目に大きい地熱発電所である(図1)。地下から湧き出る高温の蒸気を使って、発電能力は30MW(メガワット)に達する。 これまで蒸気と一緒に噴出する熱水は発電に利用しないまま地下に戻していた。新たに熱水を使って発電する「山川バイナリー発電所」を構内に建設して、再生可能エネルギーによる電力の供給量を増やす。8月中に工事に着手して、1年半後の2018年2月に運転を開始する予定だ。 発電能力は5MWを想定している。年間の発電量は3000万kWh(キロワット時)程度になる見込みで、一般家庭の使用量(3600kWh)に換算して8000世帯分を上回る。指宿市の総世帯数(1万9000世帯)の4割をカバーできる発電量になる。九州電力が熱水を供給して、グループ会社の九電みらいエナジーが発電所を