* 勉強の哲学(2017年) 勉強の哲学 来たるべきバカのために 増補版 (文春文庫) 作者:千葉 雅也 文藝春秋 Amazon ⑴ 自由になるための自己破壊としての「深い勉強」 日本における現代思想シーンを牽引する哲学者の1人である千葉雅也氏はフランス現代思想におけるポスト構造主義を代表する哲学者ジル・ドゥルーズを論じた著作『動きすぎてはいけない』(2013)で鮮烈なデビューを果たして以来、今日に至るまで一貫して「有限化」をキーワードとした独創的かつ実践的な哲学を展開しています。こうした千葉哲学への入門書となる一冊が本書『勉強の哲学』です。 本書は受験勉強や資格試験や生涯学習などといった人生における何かしらの局面において「勉強」が気になっているすべての人を「深い勉強(ラディカル・ラーニング)」へと誘う本です。まず本書は「勉強」の本質とは人が「自由」になるための「自己破壊」であると規定しま