さて、お待たせしました。いよいよCometとLingrについての技術解説です。 ■Comet解説 さて、まずはCometとは何で、どういう背景によって生まれたのか、についての解説から始めます。 まず前提として、Webアプリケーションにおいては、通信開始のトリガーは常にクライアント側が握っています。つまりURLを入力したりボタンをクリックしたときなどに通信が発生することになるわけですが、このようなアーキテクチャは、サーバ側で発生した変化をリアルタイムにクライアント側に通知することが原理的にできないことを意味します。 チャット・アプリケーションでは、複数のユーザから不定期にメッセージが送信され、それが他の参加者に一斉に配信されなければなりません。しかし、メッセージを受け取ったサーバ側では、それをクライアントに即座にプッシュで通知する方法がないのです。 そのため、一定期間ごとにブラウザがサーバに
この記事は,日経ソフトウエア2007年1月号,連載「簡単実装で学ぶWeb技術2006」の第7回「Comet――プッシュ型のWebアプリケーションを作る」の再録です。記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります。 こんにちは,結城浩です。 今回は,サーバーからデータをプッシュするタイプのWebアプリケーションを作成する技法の「Comet」を紹介します。簡単なチャット・プログラムを通してCometの仕組みを学びましょう。 Cometとは 通常のWebアプリケーションは,クライアント(Webブラウザ)から送られてくるリクエストを受け取って動作します。つまり,WebアプリケーションはユーザーがWeb上のリンクをたどったり,ボタンを押したりすることをきっかけに動くのです。ここで,動きの主導権はクライアント側にあります。クライアントがサーバーから情報を「引き出す」ことによって動作する
Tomcat 6で実現!Ajaxを超える通信技術Comet:Tomcatはどこまで“安全”にできるのか?(3)(1/3 ページ) Ajaxを超える? Tomcat 6で搭載されたCometとは? 前回はTomcatを“安全”に活用するために、ツールを使った運用の仕方やTomcatの設定について解説しました。 今回はTomcatの安全性から少し離れて、Tomcat 6の新機能の利用方法について解説します。Tomcat 6では、いくつかの大きな拡張がありましたが、今回はJ2SE 1.5で実装されたNew I/O API(java.nioパッケージ)を用いたComet(コメット)通信について解説します。 おさらい 「通常のHTTPでの通信」 通常のHTTPでの通信はクライアントのWebブラウザなどからサーバへリクエストを送信し、サーバはリクエストを解釈してレスポンスを返します。つまり、通信のタイ
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