執務席を社員が自由に選べるフリーアドレスは、日本HPや日立製作所などIT(情報技術)ベンダーに採用事例が多い。顧客企業ごとにプロジェクトチームを組み、長時間外出している社員が多いため、社員数よりも少ない数の机と席しか用意しなくても不自由しないからだ。プロジェクト単位で一時的な“島”を形成しやすい点も適している。経営側から見ると、ファシリティーコストを削減できるメリットがある。 だが、フリーアドレスにネガティブなイメージを抱く人も少なくない。「うちの会社は社員の固定席を削ってでも、経費削減をしたいのか。書類などの荷物はどう保管したらいいのだ」といった具合である。実際、コスト削減を主目的にフリーアドレスの導入に踏み切る企業があるのは確かだ。 こうした中、フリーアドレスに新たな潮流が生まれつつある。ITベンダーではない企業で、なおかつコスト削減を主目的とせずに、フリーアドレスを採用する企業が増え