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ブックマーク / xtech.nikkei.com (238)

  • [IT Japan 2015]「20年遅れの劣勢でも勝つ手はある」、はやぶさ開発のJAXA國中均氏

    写真●「IT Japan 2015」で講演する宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙探査イノベーションハブ・ハブ長(宇宙科学研究所宇宙飛翔工学研究系教授)の國中均氏(写真:井上裕康) 「20年以上出遅れて、予算は10分の1という劣勢でも、着想と工夫次第ではライバルに勝てる」。 宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙探査イノベーションハブ・ハブ長(宇宙科学研究所宇宙飛翔工学研究系教授)の國中均氏は2015年7月8日、東京・千代田のホテルニューオータニで開催中の「IT Japan 2015」(日経BP社主催、10日まで)において、「宇宙探査イノベーション:はやぶさ・はやぶさ2小惑星探査機の事例」と題して講演した(写真)。 まず國中氏は、2010年に地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」の研究開発の経緯を話した(関連記事:「信念に基づく“独断”こそがプロマネの仕事」はやぶさの川口淳一郎教授)。はやぶ

    [IT Japan 2015]「20年遅れの劣勢でも勝つ手はある」、はやぶさ開発のJAXA國中均氏
  • 「アリアン6の設計は顧客主導」「東京五輪は商機もたらす」、Arianespaceが会見

    仏Arianespaceは2015年4月9日、東京都内で記者会見を開催した。Chairman and CEOのステファン・イズラエル氏(写真)らが登壇し、同社の今後の事業展開や衛星打ち上げ市場の展望について述べた。 今回の会見でイズラエル氏は、欧州宇宙機関(ESA)が2014年12月の閣僚級会議で開発を承認した次世代ロケット「アリアン6」の機体構成について、「Arianespaceが18の衛星運用事業者を行った市場調査の結果がベースになっている」と説明した。市場調査の対象となった18事業者には、日の衛星運用事業者も含まれているという。 アリアン6は、これまでArianespaceが数多くの衛星打ち上げの際に使っている「アリアン5」の後継機という位置付けである。イズラエル氏は、「アリアン6の設計は顧客主導」「顧客に満足していただけるロケット」とアピールした。 説明終了後の質疑応答では、20

    「アリアン6の設計は顧客主導」「東京五輪は商機もたらす」、Arianespaceが会見
  • [特別賞]超小型衛星「ほどよし」に載せて宇宙空間から地球を撮影

    特別賞は、企業や一定規模以上の団体の応募作品の中から最も優れたものを選びました。受賞したのは、超小型衛星「ほどよし」に搭載した撮影システムです。ラズパイのカメラモジュールで、地球を実際に撮影した作品です。2014年6月に衛星を打ち上げ、さまざまな写真を撮影しました(図1)。 ほどよし衛星は、内閣府が採択した最先端研究開発支援プログラムにおける、「日初『ほどよし信頼性工学』を導入した超小型衛星による新しい宇宙開発・利用パラダイムの構築」というプロジェクト(ほどよしプロジェクト)で開発されているものです。プロジェクトで実証実験を行うさまざまなミッションの一つが、今回の受賞作品である映像投影/撮影システムです。 2台のラズパイ搭載しシェルを実行 実証実験のための搭載機器スペースには、最大5Wまでの電源が供給され、データ回線を利用できます。これを利用することで、ラズパイの撮影システムを構築してい

    [特別賞]超小型衛星「ほどよし」に載せて宇宙空間から地球を撮影
  • 【後編】日本の宇宙ビジネスの課題とビジネスチャンス

    前編では欧米と日の宇宙ビジネスの現状を比較した。では、今後、日の宇宙ビジネスはどのように変化し、どのようなビジネスチャンスが出てくるだろうか。まず、先に見たように、日の宇宙ビジネス、特に宇宙インフラ産業は現在、主体が官であり、民間事業の機会は少ない。しかし、2008年の宇宙基法を制定や2015年の新宇宙基計画に伴い、研究開発中心の宇宙開発から、宇宙の利用や産業振興を強化する方向に舵を切った。つまり、今後は欧米の民間事業者と競争する機会が増える。ただし、現時点ではコスト競争力や短納期化、資金力などで日のメーカーは欧米のメーカーに後れを取る。 国内においては、国によるPFI(Private Finance Initiative)事業の推進がカギになりそうだ。PFI事業とは衛星の打ち上げなど国家的な事業でありながらも、民間側に裁量を持たせ事業運営などをさせるというもの。現時点で、地球

    【後編】日本の宇宙ビジネスの課題とビジネスチャンス
  • 【前編】技術は一流だが、官需依存の日本の宇宙ビジネス

    一昔前まで、宇宙といえば、米国のアポロ計画や、スペースシャトル計画など、国家的事業であった。しかし、今やElon Musk氏率いるベンチャー企業出身の米Space X社(Space Exploration Technologies社)がNASAからの委託や商用でロケットを打ち上げたり、日でもロケット民営化を受け、三菱重工業がJAXAからの委託や韓国企業などからの委託で商用でロケットを打ち上げたりする時代となった。大学の研究室や民間企業が、超小型の人工衛星を打ち上げる動きも活性化してきている。 この背景には、冷戦構造の崩壊などによって、宇宙技術が軍事目的から商業利用目的へと転じたことや、産業育成のために各国が競争政策を推し進めたこと大きい。特に米国では商業宇宙打ち上げや商業リモートセンシングの法規制の整備、国際宇宙ステーションへの物資輸送の民間委託など政府の宇宙活動の民営化などが実施されて

    【前編】技術は一流だが、官需依存の日本の宇宙ビジネス
  • MRJも動員、JAXAが挑む航空機の次世代エンジンや低騒音技術

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、同機構航空部が進めている2つの技術実証プロジェクトについて、2015年2月10日に報道陣向け説明会を開催した。1つは次世代エンジンに適用する高効率・軽量ファンタービン技術を開発する「aFJR」、もう1つは機体騒音の低減技術を飛行実証するプログラム「FQUROH」(フクロウ)だ。いずれも同部の環境技術の研究開発プログラム(ECAT)の一環として行う。 得意領域で勝負 aFJR(Advanced Fan Jet Research)プロジェクトは、航空機用エンジンのファンモジュールの効率化と軽量化および低圧タービンの軽量化による燃費の1%向上を目指すもの。「高効率の空力設計や複合材料などの部品設計技術は日の航空機産業を支えてきた領域。得意の領域で短期集中開発する」(aFJRプロジェクトチームプロジェクトマネージャの西澤敏雄氏)。IHIの他、東京大学生産技

    MRJも動員、JAXAが挑む航空機の次世代エンジンや低騒音技術
  • リベンジ狙う金星探査機「あかつき」、2015年12月に金星周回軌道へ再投入へ

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2015年2月6日に記者会見を開き、2010年12月7日に金星周回軌道への投入に失敗した金星探査機「あかつき」を、2015年12月7日に再投入する計画であることを明らかにした。 前回の軌道投入では、燃料タンクから主推進装置に燃料を送るシステムに不具合が発生。これにより、主推進装置に送り込まれる燃料と酸化剤の量的バランスが失われ、同推進装置が異常燃焼を起こして探査機の姿勢を適切に制御できなくなり緊急停止に追い込まれた。ただ、幸いにして軌道投入のために燃料を使わずに済んだため、その燃料を使って再挑戦する。 不具合を起こしたのは、燃料タンクに高圧のヘリウムガスを送るバルブ。バルブを利用して燃料タンクの中に適切な流量の高圧ヘリウムガスを送り込み、その圧力で燃料タンクから主推進装置や姿勢制御用のスラスターに適量の燃料を供給する仕組みなっている。JAXAによれば、不具

    リベンジ狙う金星探査機「あかつき」、2015年12月に金星周回軌道へ再投入へ
  • Google、人工衛星を用いるネット接続プロジェクトでSpaceXに出資か

    Googleが、人工衛星を利用したインターネット接続サービスの取り組みに関して米SpaceXに出資する方向で協議中だと、米メディア(The Information)が現地時間2015年1月19日に報じた。 SpaceXは、現在インターネット接続環境を持たない人々に、低価格のインターネット接続サービスを提供するための人工衛星開発プロジェクトを進めている。出資額や条件などについては不明だが、関係筋によると、GoogleはSpaceXの企業価値を100億ドル以上と見積もった上で他の投資家らとともに出資することに合意しているという。 SpaceXのElon Musk最高経営責任者(CEO)が先週詳細を発表したプロジェクトは、多数の小型人工衛星を通常の衛星軌道(2万2000マイル上空)よりはるかに低い高度750マイルに飛ばして光通信を行い、発展途上国や遠隔地でインターネットアクセスを可能にするとい

    Google、人工衛星を用いるネット接続プロジェクトでSpaceXに出資か
  • 氷結層

    同月28日に開催された記者会見の様子。左から三菱重工業防衛・宇宙ドメイン宇宙事業部MILSET長の平嶋秀俊氏、はやぶさ2プロジェクトマネージャを務めるJAXA宇宙科学研究所教授の國中均氏、JAXA射場技術開発室長の長田弘幸氏。 * はやぶさ2は、同年12月3日に無事打ち上げに成功し、現在は、小惑星「1999 JU3」に向け宇宙航海を続けている。 氷結層とは、雲に含まれる「摂氏0度から摂氏マイナス20度の層」のことだ(図2)。この層の中には、比較的大きめの氷の粒(あられ)と、空気中の水蒸気が結晶となった微細な氷の粒(氷晶)が存在する。そして、これらのあられや氷晶が対流によってぶつかり合い、その際の摩擦によって帯電する。その結果、ロケット打ち上げ時の大敵とされる雷が発生しやすくなるのだ。

    氷結層
  • 日産とNASAが自動運転車の開発で提携、2020年の商用化に弾み

    日産自動車と米航空宇宙局(NASA)は2015年1月8日(米国時間)、自動運転車の開発に関する5年間の提携を発表した(写真1)。両者は自動走行システムや自動運転車のユーザーインターフェース、自動運転車の開発に必要となるデータ分析アプリケーションなどを共同で開発する。 日産のカルロス・ゴーン社長兼CEO(最高経営責任者)は以前から、自動運転車を2020年までに実用化することを目標として掲げている。今回の提携はそれを加速するものとなる。日産が米国シリコンバレーに置く「シリコンバレー・リサーチ・センター」の研究者と、同じくシリコンバレーに位置するNASAの「エイムズ・リサーチ・センター」の研究者が連携。日産製の電気自動車(写真2)をNASAエイムズ・リサーチ・センターに持ち込んで自動運転車の検証などを行う。 研究の特徴は、中央のコントロールセンターの指示に従って人間だけでなく貨物などを輸送する

    日産とNASAが自動運転車の開発で提携、2020年の商用化に弾み
  • 第18回:C型小惑星に水分子を求めるNIRS3

    初代「はやぶさ」が探査した小惑星「イトカワ」と、「はやぶさ2」の目的地である小惑星「1999 JU3」の大きな違いは組成だ。イトカワは岩石を主体としたS型小惑星だった。それに対して1999 JU3は炭素を含むC型小惑星である。また、1999 JU3は望遠鏡を使った地上からの分光観測により含水シリケイトという、水分子を含んだ鉱物が存在しているらしいことが分かっている。炭素と水は、共に生命にとって重要な物質だ。これをもって「1999 JU3に生命がいる」とは考えにくい。しかし、太陽系の中でどこにどの程度の炭素や水が、どんな形で存在しているかを知るのは、生命の起源を探るために大変重要なことだ。 初代はやぶさには、赤外線で鉱物の種類を調べる近赤外線分光器「NIRS」(Near InfraRed Spectrometer)というセンサーが搭載してあった。波長が0.85μ~2.1μmの近赤外線でイトカ

    第18回:C型小惑星に水分子を求めるNIRS3
  • 第17回:全くの別物となったDCAM3、メタルシールに泣いたサンプラー

    第17回:全くの別物となったDCAM3、メタルシールに泣いたサンプラー 澤田弘崇・JAXA月・惑星探査プログラムグループ開発員インタビュー(その2) 最初はおまけのはずで、小型ソーラー電力セイル実証機「IKAROS」に搭載した実績のある技術を使って手早く作るはずだったリモートカメラ「DCAM3」は、「インパクター衝突の瞬間を詳細に観測したい」とするサイエンス側の要求によって、全く系統の異なるアナログとデジタルのカメラを各1基搭載するという設計に変化した。今回は、新たな設計を採用したことによる苦心や、できたこととできなかったこと、さらに、澤田弘崇・宇宙航空研究開発機構(JAXA)月・惑星探査プログラムグループ(JSPEC)開発員の“業”である「はやぶさ2」のサンプラーについての苦労についてお聞きする。 質量と大きさを先に決めて、その範囲内で作っていく 澤田 既に、はやぶさ2体への取り付け

    第17回:全くの別物となったDCAM3、メタルシールに泣いたサンプラー
  • Googleがスポンサーの宇宙開発コンテスト、期間を1年延長

    米XPRIZE財団は現地時間2014年12月16日、米Googleがスポンサーを務める宇宙開発コンテスト「Google Lunar XPRIZE」の期間を1年間延長すると発表した。2015年12月31日としていた期限を2016年12月31日に変更する。 2007年9月に開始された同コンテストでは、民間出資によって開発したロボット探査機が月面に着陸し、500メートル以上走行して詳細な探査データを地球に送信するという任務を競う。優勝賞金は2000万ドルで、賞金総額は3000万ドルに上る。 米メディアの報道(The Verge)によると、コンテストの期間延長はこれが2度目となる。当初は2012年までとしていた。 XPRIZEのRobert K. Weiss副会長兼理事長は「我々が要求している使命は、技術的観点からも金銭的な問題においても大変困難で前例がないことを我々自身認識している。このため、コ

  • 第16回:人工クレーター生成の瞬間を捉える眼DCAM3

    2009年、立川敬二・宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事長(当時)は、「はやぶさ2」に新規要素を入れるよう指示を出し、小惑星表面に小さなクレーターをうがつインパクターが装備されることになった。新規開発のインパクターが小惑星「1999 JU3」に到着後、きちんと動作するかどうかを確認する必要があるということになり、既に開発してあったリモートカメラ(分離カメラ)「DCAM」に白羽の矢が立った。DCAMはインパクターと共に、はやぶさ2に搭載されることになった。 が、そこで話は終わらなかった。「どうせ観察するなら」と理学側研究者が新たな要求を出してきたのである。今回は、はやぶさ2に搭載するリモートカメラ「DCAM3」の開発を担当した澤田弘崇・JAXA月・惑星探査プログラムグループ(JSPEC)開発員の話を聞く(図1)。

    第16回:人工クレーター生成の瞬間を捉える眼DCAM3
  • 【写真で見る】大迫力だった小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げ

    2014年12月3日13時22分4秒(日標準時)、小惑星「1999 JU3」を目指す小惑星探査機「はやぶさ2」が、宇宙航空研究開発機構(JAXA)種子島宇宙センターからついに宇宙へと旅立った。天候不良で打ち上げは2度延期されたが、12月3日はようやく天候に恵まれ、はやぶさ2を載せた「H-IIA」ロケット26号機は轟音を響かせながら勢いよく飛び立っていった。日経テクノロジーオンラインは、その様子をカメラに収めた。ここでは、その一部を紹介する。 図1は、プレス向けの無人・自動カメラ指定設置場所となった種子島宇宙センターの「海岸通前カメラ用スタンド」から撮影したものだ。射点から約700mと距離が近いこともあり、ロケットの姿を鮮明にとらえることができた。

    【写真で見る】大迫力だった小惑星探査機「はやぶさ2」の打ち上げ
  • はやぶさ2、所定の軌道への投入に成功、搭載機器も健全

    「宇宙航海がようやく始まりました。応援いただきまして大変ありがとうございます」。2014年12月3日夕刻から開催された小惑星探査機『はやぶさ2』打ち上げ後の記者会見において、はやぶさ2のプロジェクトマネージャを務める宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所教授の國中均氏の第一声は、ようやく宇宙に旅立ったことへの報告と、全国から寄せられた応援に対するお礼の言葉だった(図1、2)。

    はやぶさ2、所定の軌道への投入に成功、搭載機器も健全
  • 第15回:小惑星をうがつ新装備インパクター

    2009年、それまで初代「はやぶさ」の同型機として検討されていた「はやぶさ2」の設計が変化した。「新規要素を付け加えることが必要」という当時の立川敬二・宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事長の指示により、小惑星に直径数mのクレーターを作るインパクター(SCI:Small Carry-on Impactor、衝突装置)が付け加わったのだ。4.7kgの爆薬を破裂させ、2kgの銅の弾丸を2km/sの速度で小惑星表面に撃ち込んで、直径数mの人工クレーターを作り、クレーター内部、またはクレーターからの噴出物から、宇宙放射線による宇宙風化を受けていない星の内部のサンプルを採取する――工学的にも理学的にも大きなチャレンジとなる装置だ(図1)。短い開発期間の中で、どのようにしてインパクターを作り上げたのか、担当した佐伯孝尚・JAXA宇宙科学研究所助教にお聞きした(図2)。

    第15回:小惑星をうがつ新装備インパクター
  • 第14回:完璧動作へ、そして新たな試みへ

    ――可飽和吸収体もミラーもYAGロッドと一体になるわけで、随分構造が簡単になりますね。 水野 地上用のYAGレーザー発振器では珍しい構造ではありません。ごく当たり前のものです。 ――では、なぜ初代ではこの方法を使わなかったのですか。 水野 初初代の開発が始まった1990年代半ばには、可飽和吸収体の技術がまだ完全ではなかったからです。この方法には欠点もあって、レーザー光パルスが発生するタイミングを能動的に制御することができません。1マイクロ秒程度のばらつきが発生します。ですからレーザー光が発射されたタイミングをきちんと計測して記録しておく必要があります。アメリカの探査機も今は可飽和吸収体を使ったレーザー発振器を使っています。

    第14回:完璧動作へ、そして新たな試みへ
    iwamototuka
    iwamototuka 2014/11/17
    改良の施されたレーザー高度計について
  • 第13回:レーザー高度計、初代で経験した宇宙で使う難しさ

    「レーザー高度計」(LIDAR:LIght Detection And Ranging、ライダー)は小惑星の表面に向けてレーザー光線のパルスを発射し、反射光が帰ってくるまでの時間を測定することで、探査機体と小惑星表面との距離を測定する装置だ。小惑星表面に降りていく「はやぶさ」(初代はやぶさ)と「はやぶさ2」にとって必要不可欠の機器である。小惑星の特定の場所までの距離を測定できるので、理学観測機器としても使用することになっている。 ところが、初代はやぶさでは、その開発は難航を重ね、打ち上げぎりぎりまで粘ったものの問題は解決できなかった。結局運用を工夫することで乗り切ることになったが、いざ小惑星「イトカワ」の到着すると、探査機姿勢を制御するリアクション・ホイールの3基中の2基が故障したために、姿勢制御の精度が低下。きちんとイトカワ表面の狙った場所へレーザー光線を照射することが難しくなり、その

    第13回:レーザー高度計、初代で経験した宇宙で使う難しさ
    iwamototuka
    iwamototuka 2014/11/14
    「ニア・シューメーカー(1996年打ち上げ)のライダー担当者と話をしたことがあるのですが、「厳重に温度管理しなくちゃダメだよ」と言われました(笑)」
  • 宇宙で活躍する半導体デバイス

    記事は、応用物理学会発行の機関誌『応用物理』、第83巻、第8号に掲載されたものの抜粋です。全文を閲覧するには応用物理学会の会員登録が必要です。会員登録に関して詳しくはこちらから(応用物理学会のホームページへのリンク)。全文を閲覧するにはこちらから(応用物理学会のホームページ内、当該記事へのリンク)。 科学衛星搭載用の半導体デバイスは、民生用デバイスと同様に、微細化と新構造・新材料の導入が進む。強い電離作用を有する宇宙放射線にさらされる宇宙環境で、このナノスケールの世界に起こる物理現象とデバイス・回路の応答を実験およびシミュレーションで解き明かし、宇宙科学の発展に貢献する宇宙用半導体デバイスの開発を目指している。 1. まえがき 東京大学の糸川英夫らが開発したペンシルロケット技術を礎として、我が国は1970年に日初の人工衛星「おおすみ」を軌道に送りこんだ。世界で4番めの快挙であった。宇宙

    宇宙で活躍する半導体デバイス