和歌山県有田川町の有田川鉄道公園には、かつてミカンの産地を走ったローカル線・有田鉄道の線路が残り、懐かしのディーゼル車などが保存されている。一部は公園内で特別運行し、来園者にも人気だが、線路や車両の老朽化が課題。公園を管理する町はインターネットで募った資金を活用し、線路の枕木を交換したり、警報機を新設したりして魅力向上に取り組んでいる。 (西家尚彦) 有田鉄道は、主に有田地方で特産の「有田みかん」を太平洋の湯浅湾に運ぶため、大正4年に港側の湯浅町と内陸の有田川町の間で開業。翌5年には有田川町のさらに内陸部まで延伸した。その後、周辺道路の発達などで利用が次第に減り、平成14年に全長約5・6キロ、5駅の路線は廃線となった。 有田川町側の発着駅だった旧金屋口駅の跡地を町が整備し、22年に開業したのが有田川鉄道公園だ。 公園では、かつて有田鉄道で活躍したディーゼル車「キハ58」や、岐阜県の樽見鉄道