イラク戦後――。 日本サポーターの前で手倉森誠監督が選手たちに水をかけられてびしょ濡れになった。写真撮影の時、監督は濡れた背広のまま一番前に滑り込んだ。そのパフォーマンスがウケて、選手やサポーターから大きな喝采を浴びた。チームがひとつになっているなぁと感じさせるシーンだった。 リオデジャネイロ五輪、最終予選の準決勝、日本はイラクと対戦。ロスタイムにゴールを奪って2-1で勝ち、6大会連続となる五輪の出場権を獲得した。「ドーハの悲劇」を現場で味わった者としては、23年前の溜飲を下げた劇的な勝利だった。 試合は、FWモハナド・アブドゥラヒーム・カラルにボールを収められ、ずいぶん冷や冷やさせられた。だが、失点する気配がそれほど感じられなかったのは、収められてボールを落とされた後、遠藤航らが次の展開を自由にさせなかったからだ。 相手に流れがある時に、落ち着いて耐えること。 手倉森監督は「割り切りと柔
![マジックではなく、ロジックの勝利。リオ行き決めたU-23「弱者の兵法」。(佐藤俊)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a015055bec07f5aac286861e61d1645946976025/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F2%2F6%2F-%2Fimg_26484372f82bcfcfd612cf747844647d101038.jpg)