チェロコングレスのコンサートで感動したことをあちこちで語っているうち、ふと「鳥肌が立った」という言葉を使いそうになった。しかし、これは「誤用」ではなかったか? 「鳥肌が立つ」は、本来、恐怖などを感じたときにもっぱら使われた言葉。これが感動したときにも使われるよう変遷してきていることがはじめて(?)世間で話題になったのは文化庁の平成13年(2001年)度の「国語に関する世論調査」で、 若い世代ほど「鳥肌が立つ」を恐怖・感動どちらの場合でも使う人が多く、高齢者ほど感動の意味では使わない傾向が明らかになった。「本来ではない」「昔はその使い方をしなかった」というのが「誤用」の根拠。 ところが、近年「感動の鳥肌」が、国語辞典などでも認知されるようになった。広辞苑第六版(2008年)では第五版(1998年)になかった下記の強調部分の記述が追加されている。 ○鳥肌が立つ 寒さや恐怖・興奮などの強い刺激に