電気自動車(EV)の超急速充電に向けて2024年末以降、10分前後で充電できるEV向け蓄電池が続々と出荷される見通しになった。技術的には、従来の技術的制約を超えるブレークスルーが幾つも必要だが、複数の電池メーカーがそれを成し遂げた格好だ。各電池メーカーの開発状況や出荷予定と併せて、工夫の一端を紹介する。 電気自動車(EV)の充電率(State of Charge:SOC)で10%から80%にする時間を10分前後、またはそれ以下に短縮できる蓄電池が続々と開発されている(表1)。 広州汽車の研究所が実用化一番乗り 電池の充電速度、すなわちCレートが高く、超急速充電可能な蓄電池を最初に実用化したのは、中国・広州汽車集団(GAC)傘下の研究所である中国・巨湾技研(Greater Bay Technology:GBT)である。2021年には3C、そして2022年には6Cの蓄電池を開発し、実際にGAC