パナマ文書問題を見る視点② 底辺への競争 タックスヘイブン問題の対応策として、国家が自らの徴税能力を強化すること以外にやっていることがある。それがいわゆる「底辺への競争」だ。 一昨日パナマ文書問題を考える前提として、タックスヘイブン問題の構造を簡単にまとめた。そこでは、資本のグローバルな還流に対する国家権力の徴税能力の限界ということを書いたのだが、国家が自らの徴税能力を強化する(例えば移転価格税制を取り入れる)こと以外にやっていることがある。それがいわゆる「底辺への競争 Race to the bottom」だ。 パナマ文書問題を見る視点 底辺への競争とは、市場から生み出される資金を出来るだけ多く自国内に滞留させるために、各国が企業にとって良い条件を提示しようと、法人税や労働基準、環境基準等の引き下げを競い合う状況のことである。 『21世紀の資本』の著者、トマ・ピケティもパナマ文書に関する