メサドン (INN:methadone) は、化学合成によって得られた、オピオイド系の鎮痛薬である。片仮名では、表記ゆれでメタドンと書かれる場合もある。商品名はメサペイン[1]。適応は、 「他の強オピオイド鎮痛剤の投与では十分な鎮痛効果が得られない患者で、かつオピオイド鎮痛剤の継続的な投与を必要とするがん性疼痛の管理」[1]。 メサドンの構造式。構造から明らかなように、1箇所のキラル中心を有し、1対の鏡像異性体を持つ。これらは光学分割されず、ラセミ体のまま塩酸との塩の形などにして用いられている。 オピオイド受容体のアゴニストとして知られるモルヒネやヘロインと化学構造は異なるものの、メサドンもオピオイド受容体にアゴニストとして作用する。なお、化学構造で見た際には、メサドンが最も単純な構造のオピオイドとも言われる。 メサドンはヒトの体内で代謝されるのが遅く、さらに非常に高い脂溶性を持つため、モ