Published 2021/04/12 07:00 (JST) Updated 2021/04/13 12:38 (JST) 2017年3月、福井県池田町立池田中2年の男子生徒が自死したのは担任らの厳しい指導が原因とされた。報告書が公表され、記者会見で謝罪する池田中の校長(中央)ら=2017年10月 子どもたちが教師による暴言や過剰な叱責によって追いつめられ、自死に至るケースは「指導死」と呼ばれる。最近、この指導死に当たるのではないかと、問題化する子どもの自死が増えている。これらの自死の背後には、どれほどの数かは分からないが、自死には至らないまでも、教師に叱られることで深く傷ついている子どもが多くいると考えられる。 こうした「叱る教育」は、子どもの心・尊厳を傷つける精神的暴力である。しかし、学校現場でも、わたしが長く研究してきた教育学の世界でも、叱ることそのものを問う動きは乏しい。(早稲
ブログに事実と異なる内容を掲載され名誉を傷つけられたとして、政府の国家戦略特区ワーキンググループ(WG)の原英史座長代理が、立憲民主党の篠原孝衆院議員=長野1区=に550万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は29日、名誉毀損を認め、篠原議員に165万円を支払うよう命じた。 判決によると、篠原議員は自身のブログで2019年7月、毎日新聞の記事を前提に、原氏が地位を利用して特定の法人を優遇し「金銭的利益を得た」などと指摘した。 中吉徹郎裁判長はブログについて、原氏が記事内容を否定していることを考慮せず「漫然と自ら推測した内容を提示」したと指摘した。
2月21日に亡くなったジャーナリスト、関千枝子さんの代表作の一つは、被爆死した同級生たちの最期をドキュメントした『広島第二県女二年西組 原爆で死んだ級友たち』である。関さんがその取材を始めたのは、姉の黒川万千代さんの写真集がきっかけだった。(女性史研究者・江刺昭子) 黒川さんは広島女子専門学校(現・県立広島大)在学中に被爆。神奈川原県爆被災者の会を結成し、日本被団協事務局次長も務めた。エネルギッシュな平和運動家で、広島市内に100以上ある原爆慰霊碑の写真を5年がかりで撮り、1976年に『原爆の碑 広島のこころ』を自費出版した。 初めて出版された慰霊碑の写真集で、関さんは解説の文章を手伝う。そして決意する。 それまでは遺族に被害の状況を聞くのは、傷痕をかきむしるようで、そっとしておきたかった。だが30年たった。むしろきちんと事情を聴き、記録を残したい。それが死者への供養になるはずだ。 当初は
Published 2021/03/11 07:30 (JST) Updated 2021/04/01 12:46 (JST) 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から、11日で10年を迎える。新聞社の政治記者として、当時の菅直人政権の対応を取材した者として、あの日と、そこから菅首相の退陣までの約半年間は、10年がたつ今でも、強い痛みとともによみがえる。 あの時菅直人政権に向けられた、憎悪にも似た国民の非難は、政権交代後も安倍晋三前首相らの手で「悪夢の民主党政権」と何度となく繰り返され、十分な検証もなく国民にすり込まれていった。 「戦後最悪の国難」になすすべもない中、多くの国民が怒りの矛先をすべて政治に向けたことを、全く理解しないわけではない。だがあの時、政治には比較対象がなかった。未熟な民主党政権だから対応がまずかったのだ―。そんな批判に抗する材料もなかった。 10年後の今、改めて考え
米国の中でも、テキサス州はエネルギー産業の中心地として知られる。ところがそのテキサス州で2月中旬、記録的な寒波とアイスストームにより設備が凍結して電力供給能力が著しく低下した。州全土が完全な停電に陥るまであと4分37秒という際どい事態に。なんとか免れたものの、400万世帯以上が数日にわたり停電した。人々は暖房を失い、少なくとも40人が死亡する大惨事となった。 州政府は共和党のブッシュ元大統領が知事の時代に電力自由化を実現するなど、独自の政策を推進してきた。地球温暖化に伴う気候変動の脅威に懐疑的で、エネルギー施設や供給網の防寒対策を義務づけてこなかった。同じ寒波に見舞われた隣接州ではこうした被害はほとんど起きていない。惨事を招いた真の原因は何だったのか。(テキサス州ダラス在住、ジャーナリスト=片瀬ケイ) ▽大失敗の計画停電 冬になると北極からの寒気は米国内陸まで流れ込むことがある。冬の平均最
Published 2021/03/03 07:30 (JST) Updated 2021/03/04 12:02 (JST) 森喜朗氏の性差別発言に始まった騒動は、東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長に橋本聖子氏が就任して、ひとまず沈静化した。東京都知事は小池百合子氏、政府の五輪担当相は丸川珠代氏と、五輪トップの3人が女性となって、さらに、組織委理事に占める女性の割合を、現状の2割(35人中7人)から4割以上に増やすという。 ところが早くも、ほころびが出た。男女共同参画相を兼ねる丸川珠代氏が、自民党国会議員有志と連名で、自民党所属の県議会議長らに宛てて、選択的夫婦別姓制度導入に賛同する意見書を採択しないよう求める文書を送っていたことが明るみに出た。言論弾圧ともいえる行為であり、男女平等にも背を向けている。こんな人が男女共同参画担当相の椅子に座っていていいのだろうか。(女性史研究者・
Published 2021/03/02 15:00 (JST) Updated 2021/03/03 15:13 (JST) 今から10年前の2011年3月11日、マグニチュード9の東日本大震災が起き、東京電力福島第1原発が大津波に襲われた。停電となり原子炉の冷却ができず、3基がメルトダウン。大量の放射性物質をまき散らす大惨事となった。絶対安全を掲げて誕生したはずの原発。それは、もろく危うい、「砂の上に立つ城」だった。事故前に大津波を警告する声はあった。だが東電や監督する国が迅速に動くことはなかった。なぜか―。原発と地震の歴史をひもといて〝謎解き〟に挑みたい。(共同通信=鎮目宰司) ▽乏しい知識 太平洋に面する東日本沿岸部は過去に何度も大きな津波に襲われた。平安時代の貞観地震(869年)、江戸時代の慶長三陸地震(1611年)、延宝房総沖地震(1677年)、そして明治三陸地震(1896年)
Published 2021/02/10 10:30 (JST) Updated 2021/02/10 15:54 (JST) 緊急事態宣言下で全国的に新型コロナウイルスの感染者数は減ってきたが、まだ予断は許さない状況にある。「ベッド大国」であるはずの日本が、新型コロナ禍で病床不足の危機にひんし続けているのだ。日本は40カ国近くある経済協力開発機構(OECD)加盟国で人口千人当たりのベッド数が最も多く、感染者数も欧米よりも低いのに、なぜ「医療崩壊」と悲鳴が上がるのか―。国や自治体は法改正などを通して、民間病院に病床確保を迫っているが、取材を進めると日本特有の医療体制のもろさが浮かび上がってきた。(共同通信=野沢拓矢、大野雅仁) ▽受け入れ障壁、何重にも 「病床を増やさないと、もう対応できない」。大阪府の吉村洋文知事は1月中旬の新型コロナ対策会議で、窮余の策として民間病院に病床確保の要請に踏
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