紀文食品の海外食品事業が好調だ。2023年3月期は同事業の売上高が前期比13.7%増の約126億円と目覚ましい伸びを見せた。その大きな原動力になっているのがカニカマで、近年では米コストコが取り扱いを決めた“おから麺”も業績を押し上げている。一体、何が起きているのか? よく知られた話だが、カニカマは「カニ風味のかまぼこ」の略。主な原料はスケソウダラのすり身で、カニの身は一切使用していない。写真は紀文食品の「マリーン」で、発売は1987年 カニカマは、インスタントラーメンやレトルトカレーとともに日本で「食品三大発明」に数えられ、食卓で市民権を得て久しい。70年代半ばに水産練り製品メーカーが開発したとされていて、今や50年近くの歴史を持つ。サラダを筆頭に汎用性が高い食材で、昨今はたんぱく質を手軽に摂取できる点も人気。高齢者のフレイル(加齢で運動機能や認知機能が低下した状態のこと)予防に役立つ食材