中国のパワーはいま、世界でどのように強まっているのか? 長年、中国の貧困問題を研究してきた阿古智子氏がカンボジアで見た、華語学校や華人コミュニティのいま――。 前編はこちら:世界で深まる「中国依存」親日国カンボジアではこんな風に進んでいる http://gendai.ismedia.jp/articles/-/54266 華人のルーツを隠して生き延びる 前回紹介した集成学校では、王漢校長に話を聞くことができた。 王校長の祖父は漢方医だったが、カンボジアに移住したのち、薬剤を売る仕事をしていた。 財をなした祖父は、息子(王校長の父)を上海やイギリスに留学させ、息子は薬剤販売の仕事を引き継いだという。 王校長は、自分がクメール語が話せない理由をこう説明した。 「シアヌークの時代は、都市部は中国人が住むところだった。中国語ができなければ見下されるぐらいだったんだ。自分はクメール語を勉強しなかった