ネイチャー誌に先月、掲載された論文によると、オゾン層を破壊するクロロフルオロカーボン(日本ではいわゆる「フロン」類と呼ばれる)の大気中の濃度が予測を超えて再度上昇していることが分かった。数年前に禁止された化学物質を誰が製造していたのか、という科学的な謎が沸き起こった。 ニューヨーク・タイムズは、同紙と環境調査エージェンシー(EIA)などの独立調査機関が収集した「インタビュー、文書、広告」を挙げながら、CFC-11を使って発泡断熱材の製造を続けている中国の工場がCFC-11の主要な発生源の1つであると報道している。記事の複数の情報源は、他の場所でも同様に違法な製造がされていることを強調している。 1987年に採択されたモントリオール議定書により、有害な紫外線の放射を遮断するオゾン層を修復するために、CFC-11と関連化学物質の製造は漸次廃止された。CFC-11の製造は2010年から禁止されて