高騰を続けてきた韓国の不動産価格が下落に転じ、バブルが崩壊する兆しをみせている。韓国で不動産は「投資の対象」で、価格の上昇を見込んで収入に釣り合わない価格で住宅を購入した人が多い。「不動産バブルがはじけて、資産価値が暴落するのは困る」というのが市民の本音だ。政策金利の引き上げが住宅ローンの利子負担を増やし、不動産市場を萎縮させる悪循環にも直面。尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権は難しいかじ取りを迫られている。【ソウル坂口裕彦】 住宅価格は3年前に比べ1割ダウン 会社員の林有京(イム・ユギョン)さん(38)は、2022年にソウル近郊の京畿道(キョンギド)高陽(コヤン)市に購入した広さ約60平方メートルのマンションのことが心配でならない。24年8月に入居予定だが、周辺のマンション価格が値下がりしているからだ。林さん夫婦の購入価格は約6億ウォン(約6000万円)で30年ローンを組んだ。林さんは「これ