経済産業省は次世代太陽電池の開発支援の対象を広げる。軽くて曲がる「ペロブスカイト」と太陽光パネルなどを重ねて発電効率を1.5倍程度に高める製品を加える。国内に設置場所の適地が少なくなるなか、性能を向上させて再生可能エネルギーの活用拡大を狙う。脱炭素技術の開発などを補助する「グリーンイノベーション(GI)基金」を活用した支援対象に、「タンデム型」のペロブスカイト太陽電池を加える。23日に産業構造

経済産業省は次世代太陽電池の開発支援の対象を広げる。軽くて曲がる「ペロブスカイト」と太陽光パネルなどを重ねて発電効率を1.5倍程度に高める製品を加える。国内に設置場所の適地が少なくなるなか、性能を向上させて再生可能エネルギーの活用拡大を狙う。脱炭素技術の開発などを補助する「グリーンイノベーション(GI)基金」を活用した支援対象に、「タンデム型」のペロブスカイト太陽電池を加える。23日に産業構造
大林組とアイシンがペロブスカイト太陽電池の導入実証を開始。容易に交換可能なファスナーを利用した設置方法や、シミュレーションによる発電量の最大化などを検証する。 大林組とアイシンは2025年6月13日、当社は共同で、大林組技術研究所(東京都清瀬市)において、ペロブスカイト太陽電池の実用化に向けた実証実験を開始したと発表した。アイシンのペロブスカイト太陽電池の実用化に向けて、大林組の開発した施工方法と設置方法を用い、施工性の評価や発電量を検証する。 軽量なペロブスカイト太陽電池の導入先として、建物の屋根など耐荷重制限のある場所が検討されている。このように建物にペロブスカイト太陽電池を設置する場合、建物が使用中でも、電池を容易に交換可能な仕組みが求めらる。。そこで本実証ではファスナーを用いた取り外し式工法を開発し、大林組技術研究所本館の屋上に施工を行った。 この工法はペロブスカイト太陽電池付きの
中国の企業と大学のイノベーションチームがこのほど、太陽電池材料であるペロブスカイトについて、平方メートル級モジュールの安定的な量産を実現する革新的コーティング技術を提案し、ペロブスカイト技術の研究室レベルから産業化への飛躍を促進した。研究成果は国際学術誌サイエンスに掲載された。 世界をリードする高変換効率。中国のペロブスカイト太陽電池新興、エンジェルラウンドで数億円調達 論文の筆頭著者・責任著者で杭州繊納光電科技の最高技術責任者、顔歩一氏は、ペロブスカイト太陽電池は第3世代の太陽光発電技術で、柔軟、軽量などの特性があり、曇天でも比較的安定した光電変換効率を維持できると指摘。ペロブスカイト電池の核心部分は光吸収層であるペロブスカイト層で、主にペロブスカイト溶液の成膜と結晶化によって製造されるが、これまでの一般的なプロセスでは結晶を平らで均一な厚みに制御するのが難しく、ペロブスカイト太陽電池の
「2040年にはペロブスカイト太陽電池が結晶Si太陽電池を超えていく可能性がある」――。積水化学工業の子会社、積水ソーラーフィルム 取締役 技術・開発部長の森田健晴氏はそう語る。ここで結晶Si太陽電池を超えるというのは、変換効率、耐久性、そして製造コストも含めての話だ。可能性は十分あり、それが最近になってペロブスカイト太陽電池が「次世代太陽電池」と呼ばれるようになったゆえんでもある。 既に変換効率は追いついた 実は、セルと呼ばれる小さな太陽電池素子の変換効率だけなら、既に結晶Si太陽電池にほぼ追いついた。米エネルギー省傘下の研究所である米国立再生可能エネルギー研究所(NREL)が認定した太陽電池の変換効率の推移では、単接合型でも2種類の太陽電池を重ねて使うタンデム型でも、ペロブスカイト太陽電池が既存の太陽電池の世界記録に肉薄している。勢いはペロブスカイト太陽電池のほうにあるため、結晶Si太
早稲田大学と東京大学、筑波大学による共同研究グループは、一次元らせん構造のハロゲン化鉛ペロブスカイト結晶で、15Vを超えるバルク光起電力を発現させることに成功した。発生する電圧は、太陽光照射下における既存のペロブスカイト太陽電池の10倍以上だという。 高感度円偏光センサーや高出力光起電力デバイスなどの開発に有用 早稲田大学理工学術院の石井あゆみ准教授と東京大学生産技術研究所の石井和之教授、筑波大学数理物質系の二瓶雅之教授らによる共同研究グループは2025年3月、一次元らせん構造のハロゲン化鉛ペロブスカイト結晶で、15Vを超えるバルク光起電力を発現させることに成功したと発表した。発生する電圧は、太陽光照射下における既存のペロブスカイト太陽電池の10倍以上だという。 空間反転対称性の破れと異方性を有する低次元構造の無機結晶では、特異的な物理現象が報告されている。特に、ハロゲン化鉛のような重原子
次世代の太陽電池と期待されるペロブスカイト太陽電池が離陸期を迎えます。開発で先行する積水化学工業は、2025年中の量産化を発表。同年4月開幕の大阪・関西万博でも、同電池搭載施設を設置します。25年はまさに「ペロブスカイト元年」といえそうです。 積水化学が量産化するのは、本業の樹脂技術を生かしたフィルム型。「軽くて薄くて曲がる太陽電池」として知られています。⼀般的なガラス基板の結晶シリコン太陽電池よりも軽量で柔軟なため、耐荷重性の低い屋根や曲がった構造物に使用できます。万博では、全長約1キロのバス停の屋根に導入。全体の4分の1(250m)に当たる部分に同電池を載せます。 万博では、パナソニックホールディングスも、同グループのパビリオン「ノモの国」で、ペロブスカイト太陽電池を展示する予定です。同社は、25年1月に米国ラスベガスで開催された世界最大級のテクノロジー見本市「CES 2025」でも、
軽さを維持して着脱可能に パネルディスカッションに参加した日揮は、すでにフィルム型ペロブスカイト太陽電池の屋根設置で独自の施工方法を開発している。 同社は、京都大学発ベンチャーのエネコートテクノロジーズ(京都府久御山町)に出資している。エネコートテクノロジーズは、経産省のGI(グリーンイノベーション)基金による開発事業にも採択され、ペロブスカイト太陽電池の製品化を目指している。 日揮・未来戦略室の永石氏は、「アモルファス(非晶質)シリコン型など薄膜系の太陽電池では従来からフィルム型の製品もあったが、屋根置きの場合、軽量を生かしつつ着脱可能な設置手法がなかった」と言う。屋根材に直接、張り付けてしまった場合、軽量を生かせるものの、施工後に屋根面が見えないため建物の保守・管理上の課題があった。フレーム構造にして鋼製架台にボルトで固定するケースも多いが、この場合、重くなり「軽量」というフィルム型の
脱炭素社会の実現に向けて、政府は、薄くて軽く、折り曲げられる次世代の太陽電池「ペロブスカイト太陽電池」を2040年には、原発20基分に相当する発電規模まで普及させるとする目標を正式に発表しました。 ペロブスカイト太陽電池は薄くて軽く、折り曲げられるのが特徴で、建物の壁面などに設置できることから国土の狭い日本に適しているとされ、次世代の太陽電池として注目が高まっています。 この太陽電池について、経済産業省は26日、官民協議会を開き、今後の戦略をまとめました。 それによりますと発電能力の目標については、課題となるコストを従来の太陽電池に近い水準まで引き下げ、2040年には、国内に、原発20基分に相当する20ギガワットまで普及させるとしています。 政府は年内にも素案をとりまとめる新しいエネルギー基本計画の2040年度の電源構成で、再生可能エネルギーを初めて最大の電源とするシナリオを示す方向で検討
矢野経済研究所は,ペロブスカイト太陽電池(PSC)及びその部材の国内市場を調査し,参入企業の動向,将来展望を明らかにした(ニュースリリース)。 それによると,ペロブスカイト太陽電池(PSC)は,既存の結晶シリコン太陽電池(結晶Si太陽電池)に比べて,製造プロセスでの環境負荷が少なく,材料・部材の国内調達が可能,軽く柔軟で高効率という点から次世代太陽電池として有力視されている。 資源エネルギー庁の「次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会」ではPSCの導入拡大に向けて,”2030年を待たずにギガワット(GW)級の量産体制構築を前提に検討”という方針が打ち出されている。 一方,PSCメーカーの量産開始時期は早いところで2028~2029年頃になる見込みで,2030年にGW級の発電容量を確保するには現状ではハードルが高い。PSCは,まずは公共施設,公共住宅などでの試験的な設
高機能高分子材料などを製造・販売するアイ.エス.テイ(IST、滋賀県大津市)は、耐熱性に優れたペロブスカイト太陽電池の開発で成果を発表した。高機能ポリイミド素材を基材に使用することで耐久性と耐熱性を高めたという。 同社は、桐蔭横浜大学・宮坂力特任教授と共同で研究しており、9月16日~20日に開催された「第85回 応用物理学会 秋季学術講演会」のポスターセッションにおいて、研究成果を桐蔭横浜大学と共同発表した。 ペロブスカイト太陽電池は、軽量で柔軟性があることから太陽電池の設置場所を広げる技術として期待されている。一方、フィルム素材として検討されているポリエチレンテレフタレート(PET)は、安価で材料が入手しやすいが、ペロブスカイト太陽電池の製造工程で高熱処理ができない、設置後の過酷な高温環境下で劣化するという課題があったという。 共同研究では、PETに代わるフィルム素材として、ISTが開発
地上設置による太陽光発電の導入に制約が強まるなか、建築物への導入ポテンシャルを飛躍的に高めるゲームチェンジャーとして期待を集めているのが「ペロブスカイト太陽電池」だ。軽量で、薄く、柔軟性があるなど、従来の太陽光パネル(太陽電池)にはない特長を有しており、建物の壁面や耐荷重性能の低い屋根など、これまでは設置が難しかった場所にも比較的容易に導入することができる。 とはいえペロブスカイト太陽電池は、まだ各国で研究開発の途上にあり、エネルギー変換効率や耐久性・安定性など解決すべき課題も少なくなかった。しかし今日、研究室レベルでは、従来のシリコン系太陽電池に匹敵する変換効率も得られており、商品化に向けた競争は激化の一途をたどっている。さらに将来、技術が確立し、量産に成功すれば、大幅な低コスト化も見込めるものと期待されている。 現在、各国で導入されている太陽光パネルのほとんどはシリコン系太陽電池であり
1m×1.8mの大型インクジェット装置が稼働 パナソニックHDでは現在、より大きなガラス基板にペロブスカイト太陽電池を形成するために、塗布面積が1m×1.8mという大型のインクジェット塗布装置の導入を進めている。 すでにこのインクジェット塗布装置の設置は完了しており、テストや調整を急いでいる。夏ころには、この新たなインクジェット塗布装置を使った1m級以上のガラス基板へのペロブスカイト太陽電池の試作を始めたいとしている。 そして2025年度末までに、この大型のインクジェット塗布装置で製造したペロブスカイト太陽電池のサンプル品を有償で出荷し始める計画である。 藤沢市での実証を含めて、現在のパナソニックHDのペロブスカイト太陽電池は塗布面積が30cm角のインクジェット塗布装置で試作している。 これを大型化しつつ、性能や面内均一性を維持できるのかが、製造コストを下げるうえで重要となる。面内均一性や
次世代太陽電池の本命と期待される「ペロブスカイト太陽電池」の性能は構成する素材やそれを扱う技術の力も左右する。ペロブスカイト太陽電池をめぐる素材と関連技術の動向を追う。 ペロブスカイト太陽電池は基板にフィルムかガラスを用いる。フィルムを用いると曲げられる太陽電池が作製できる。フィルム基板には一般に酸化インジウムスズ(ITO)を成膜して透明電極とする。透明電極は光の透過率が高く、シート抵抗値は低いほどよい。透過率は吸収できる光の量に影響し、シート抵抗値は電気の流れやすさを左右する。一般に透過率は80%以上、シート抵抗値は20Ω/square(オームパースクエア)以下が要求される。ITOは希少金属で高価なインジウムを含むため、その使用量を減らす低コスト化の取り組みも求められる。 麗光(京都市右京区)は真空中でアルゴンガスなどを用いて成膜するスパッタリング技術により、シート抵抗値15Ω/squa
積水化学工業は5日、浮体式太陽電池の実証実験を始めたと発表した。同社が開発した「ペロブスカイト」太陽電池の軽さを生かし、水上に浮かべて使えるようにする。2025年以降の事業化に向け、用途を開拓する。浮体の構造設計などの技術を持つエム・エムブリッジ(広島市)と、設置した太陽電池のデータ取得などのノウハウを持つ恒栄電設(東京・北)と協力する。東京都北区の閉校した学校のプールを使って約1年間実証す
室内の光でも発電できる次世代太陽電池「ペロブスカイト」の国産品の販売を来年中に始める意向を発明した日本人研究者が明らかにしました。 桐蔭横浜大学 宮坂力教授 「来年中にはフィルム型、これより大面積のものを作りまして、性能が目標に達したところで、BtoBで法人に対して販売したいと思っています。将来的には電気代を大きく下げる効果が絶対あるはずです」 桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授が発明した「ペロブスカイト太陽電池」は現在、普及している太陽電池より軽くて柔軟性があるほか、室内の光などで発電することができ、将来的には製造コストも抑えられることから「次世代の太陽電池」と言われています。 27日に行われた横浜市と桐蔭学園、住民などが参加したフォーラムでは、日本が世界2位の生産量を誇るヨウ素を原料とした「ペロブスカイト太陽電池」の生かし方などについて話し合われました。 宮坂教授らは、横浜市の大さん橋で実用
次世代型のペロブスカイト太陽電池を開発する中国スタートアップ企業の「仁爍光能(Renshine Solar)」が、シリーズAで数億元(数十億円超)を調達した。出資したのは中科先進産業基金(Zhongke Advanced Fund)、国海証券(Sealand Securities)、亨通集団(Hengtong Group)、毅達資本(Addor Capital)など複数の大手投資機関。 Renshine Solarは2021年12月に設立され、世界の太陽電池産業のリーダーとなるべくペロブスカイト太陽電池の開発と生産に注力している。創業チームは太陽光発電の分野で長年のキャリアを持つ。技術チームも開発経験が豊富で、ペロブスカイト太陽電池の変換効率の世界記録を何度も塗り替えている。 第三世代の太陽電池技術と呼ばれるペロブスカイトは、現在主流の結晶シリコン太陽電池に比べて変換効率が高く、コストも低
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【岡山大学】次世代太陽電池・ペロブスカイト太陽電池の欠点を補完する画期的な添加材“ベンゾフェノン”を発見!~性能と耐環境性の向上により、再生可能エネルギーの発展に貢献~ 2023(令和5)年 12月 31日 国立大学法人岡山大学 https://www.okayama-u.ac.jp/ <発表のポイント> ペロブスカイト太陽電池の性能と耐環境性を向上する添加剤“ベンゾフェノン(BP)”を発見しました。 BPを添加したペロブスカイト太陽電池において、室温・湿度30%の環境で700時間経過後も90%の性能を保持する高い安定性を実現しました。対照的に、BPを添加しなかった場合、電力変換効率(PCE)は急速な劣化を示し、同じ条件下で300時間以内に初期値の30%しか維持できませんでした。 ◆概 要 国立大学法人岡山大学(本部:岡山市北区、学長:那須保友)の岡山大学大学院環境生命自然科学研究科のHy
現在主流のシリコン素材の太陽電池は、おおむね基本的な技術開発は完了し、現在の変換効率が既に理論上のピークに近づきつつあって、完全に価格競争のフェーズへと移行した。原料となるシリコンの価格は半導体市況の活況とともに高止まりしており、マージンが悪化。日本を含む欧米企業は事実上の撤退を余儀なくされている。 また、シリコン素材の太陽電池はかなりの照度(明るさ)を必要とするため、屋内での設置は難しい。また大型のパネルを設置する必要があることから、設置する場所の制約も多い。 これらを解決する新しい太陽電池として期待されるのがペロブスカイト太陽電池だ。ペロブスカイト太陽電池は、光を吸収する材料にペロブスカイト結晶構造を持つ化合物を用いたもので、2009年に日本の桐蔭横浜大学の宮坂力特任教授(以下、宮坂教授)らが開発した。 ペロブスカイト太陽電池への期待が高まるが…… ペロブスカイト太陽電池は有機系・色素
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