11月25日、政府・自民党によって農業改革案がまとめられた。農協グループで資材調達や農産物販売を担う全国農業協同組合連合会(以下、JA全農)に対し、肥料や農薬を扱う購買部門の縮小や販売強化などの改革を促す内容が含まれた。購買部門の改革では、生産者に安価な農薬や肥料を提供するため取扱品目を削減し、割高とされる農薬や農機を農家に売るJA全農の購買事業を1年以内に縮小するとされた。 28日にはJA全農の自主性に任せる方向へ修正されたと報道されており、引き続き議論の推移を見守る必要がある。しかし、政府・自民党より提示された改革案の内容を参照すると、工業製品で行われているサプライチェーン改善の取り組みからの知見を生かせない、まさにサプライチェーン軽視の姿勢が読める。 農協改革の柱である購買事業の縮小 今回の改革案では、JA全農の商社機能の一方を担っている購買事業がやり玉にあがっている。個人経営の農家