トイレ国内シェア首位のTOTOが、この5月に創立100周年を迎えた。利用者の快適さにこだわり続け、社会の高齢化、グローバル化という時代の変化に対応する。M&Aでの規模拡大は追わない。自前による徹底した技術第一主義を貫き通す方針だ。 来場者が取り囲んでいたのは、青いライトに照らされた全長2mを超す大型浴槽。TOTOが見本市の目玉として出展したコンセプト商品だ。名称は「ゼロディメンション」。日本語に訳すならば「0次元」という意味になる。宇宙飛行のような無重力に近い感覚で入浴できるというのがうたい文句だ。 従来型のバスタブとの最大の違いはその形状。底面が人間の身体のつくりに適した曲面を描く。仰向けに入浴すると、これまでのバスタブに比べ感じる重力が大幅に軽減されるという。TOTOは「寝浴(ねよく)」と銘打ち、新たな入浴スタイルを提案する。 「早く発売日を決めてもらえないか。私だったら20台はすぐ売