私がふるさと納税制度を作った理由 塩田潮(以下、塩田):安倍晋三内閣の官房長官という立場を離れて、政治リーダーとして、これからの日本が目指すべき政治や社会の将来像、実現のためのシナリオについて、どう構想していますか。 菅義偉(以下、菅):私自身はゼロから政治家になりました。秋田県で生まれ、高校まで秋田県で育って、田舎をよく知っています。2006年に総務大臣になり、2007年にふるさと納税制度を作りました。東京に税収が集中しすぎているから、法人税収を吸い上げて地方に回すようにした。当時、子供の医療費が無料になる自治体のサービスは、小学校に上がるまでが全国の平均的な実態でしたが、東京では中学校卒業まで無料でした。こんなに格差があっていいのかと思った。それがふるさと納税制度を作った1つの要因でした。ある意味で、私の政治の原点です。日本は地方も都会もきちんと連携して発展していかなければならない。