これを機に、世界にどんなメッセージを発信するのか。政治指導者の歴史観が問われる。 政府は戦後50年に村山談話、戦後60年に小泉談話を発表した。いずれも「植民地支配と侵略」により、多くの国に多大の損害と苦痛を与えたとし、「痛切な反省」と「心からのお詫(わ)び」を表した。 安倍首相は8党首討論会で、両談話を「全体として受け継いでいる」と強調し、来年に「安倍政権の談話を出したい」と語った。 昨年12月の首相の靖国神社参拝は、中韓両国の反発と米国の「失望」を招いた。首相が戦後の国際秩序に挑戦しているかのような誤解を与えたのは否めない。 国際協調を重視する平和国家としての戦後日本の歩みを、改めて世界に発信する必要がある。 憂慮されるのは、中国や韓国が歴史問題を外交カードに日本への攻勢を強めていることだ。 中国は、抗日戦争勝利と朝鮮半島の植民地解放70年の来年、中韓共同の活動を行うよう韓国に提唱してい