【ロンドン=林路郎】英空軍ヘリコプター部隊のパイロットで王位継承権第2位のウィリアム王子(29)が2日、海上救難訓練任務のため南大西洋の英領フォークランド諸島(アルゼンチン名・マルビナス諸島)に到着し、同島の領有を主張するアルゼンチンが反発して両国間の緊張が高まっている。 両国軍が戦ったフォークランド紛争の勃発から4月で30年を迎える。任務は王子が希望したとされる。英国防省は派遣について「通常の範囲内」と説明している。派遣期間は6週間という。 王子派遣についてアルゼンチンは、英政府が昨年11月に派遣を発表してから、一貫して「挑発行為だ」と抗議してきた。同諸島の排他的経済水域で英企業が石油採掘を続けていることについても「新たな植民地主義」と批判し続けている。