小学校での「性に関する指導」は、主に保健体育と理科で行われる。小学4年の保健体育で、月経や精通など体の仕組みを学び、5年の理科で、ヘチマの受粉やメダカの産卵と一緒に、人間の受精や出産を学ぶ(撮影/写真部・加藤夏子) 子どもの成長期に欠かすことができない性教育。しかし、正確な知識をきちんと教えることができない現状に、現場は悩んでいる。 ネットの影響もあってか、小中学生たちの性に関する情報や経験はかつてとは比べものにならない。性犯罪に巻き込まれる可能性もあるし、若い世代での性感染症も増えている。 だが、学校での性教育はそんな現実に必ずしも合っているとはいえない。例えば、性感染症の予防策として教科書にはコンドームという言葉が登場するが、その使用方法は説明されていない。学校で性をどこまで教えるかについては賛否が分かれる。ただ、はるかに過激な性知識を持っている子どもたちが現実にいるだけに、学習指導要